オンラインとオフラインを分けないことは、もはや小売業の理想的な夢ではなくなった。北京初の盒馬鮮生会員店の開店から1カ月後の7月17日、このアリババ・グループ傘下で主に生鮮食品を取り扱うオンライン・オフライン小売ブランドは、北京・上海の3店舗を同時に開店させた。また上海1店目のオンライン注文がすでに7割を占めていると発表した。
生きたロブスターを捕まえ、重さを計ってから隣の窓口に行き調理を頼む。出来上がりを待つ間、近くの棚からお気に入りの白ワインを選ぶことができる。
これがレストランやスーパーだと思うならば、続くシーンには戸惑いを覚えるだろう。生鮮食品を選ぶと、店員がテキパキと棚の果物と包装済みの生きた魚をビニール袋に入れる。商品選びが終わると、袋は頭上の吊り下げ型コンベアによって配送担当者の所に届けられる。30分後、2キロ離れた消費者がソファーに座りながら、この生鮮食品を受け取る。
この店はスーパー、レストラン、ネット通販、デリバリーサービスなどに似ているようであり、似ていないようでもある。盒馬鮮生の関係者は「確かにどれにも似ていないが、これは消費者のニーズの特徴とシーンを立脚点としている」と述べた。
この店はスーパーと比べても割安だ。大人の腕半分ほどの大きさがあるボストン産ロブスターは1匹99元、皿いっぱいのノルウェー産サーモンは58元、味噌たっぷりの蟹は1匹88元。70代の市民、梁さんはこれに魅了された。「娘にスーパーで買ってもらうよりも安い」
盒馬鮮生の関係者は「従来のスーパーは損耗などのコストで粗利を削っているが、我々は薄利多売を選択した。こうすることで損耗を減らし、コストを削減できる」と述べた。
大量の生鮮食品サイトが運営に苦しむなか、オフラインの実店舗がオンラインの成功を促した。オンラインがオフラインに正確なマーケティングデータを提供するという、新たな小売の道が形成されつつある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年7月22日