砂州には毎年変化が生じる。潮水と季節風の変化により「尾びれ」は年初に南東を向くが、年末になると北西を向く。
陳さんの子供の頃の記憶によると、当時の砂州には野草が広がり、数本のモクマオウの木が生えていた。数えきれないほどのカモメと亀が砂州で暮らし、漁師のわんぱくな子供が砂州まで鳥の卵を盗みに来たという。
陳さんの美しい記憶は、前世紀末の沿岸部の砂取り業の発展で終わりを迎える。砂が陸上に汲み上げられ、砂州の面積も徐々に縮小した。2000年の年初になると、満潮時に砂州がほとんど見えなくなった。