月探査機「嫦娥5号」の帰還モジュールが17日午前1時59分、月のサンプルを携え着陸に成功した。17日午後に開かれた国務院新聞弁公室の記者会見において、権威ある専門家が直ちに解説を行った。
5つの「中国初」、中国の宇宙事業が節目となる新たな飛躍を実現
国家航天局副局長、月探査事業副総指揮の呉艶華氏は、嫦娥5号任務が次の5つの「中国初」を樹立したと述べた。(1)地球外天体でのサンプル採取と密封保存。(2)地球外天体における点火・離陸、正確な軌道投入。(3)月周回軌道における自動ドッキング・ランデブー、及びサンプルの移動。(4)月のサンプルを積載しつつ第2宇宙速度に近い速度で再突入・帰還。(5)中国の月のサンプルの保存・分析・研究システムの構築。
44年ぶりに月のサンプルを採取、国内外の科学者の研究参加を奨励
嫦娥5号任務の順調な成功により、人類は44年ぶりに月のサンプルを入手した。今回の月のサンプルの研究は注目を集めている。
中国科学院国家天文台研究員、月探査事業第3期副チーフデザイナーの李春来氏によると、嫦娥5号のサンプルは「嵐の大洋」の北東の一角にある玄武岩のエリアで採取された。ここは新たなサンプル採取エリアだ。新しいサンプルの研究は、月面の風化作用、火山の作用、エリアの地質の背景、エリアの地質の変化などに対して、多くの科学研究の貢献が可能だ。
李氏は「圧倒的多数のサンプルが科学研究に用いられる。我々は実験室で長期的・系統的な月のサンプルの研究活動を実施する。これにはその構造、物理特性、化学成分、同位体の構成、鉱物の特徴、地質の変化などが含まれる。月の起源及び変化に関する認識を深めたい」と述べた。
月のサンプルは人類共通の財産だ。呉氏は「今後は月のサンプル及びデータ管理方法に基づき、広く協力プランを募集する。国内外のより多くの科学者による科学研究への参加を奨励し、より多くの科学成果を手にするよう取り組む」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年12月18日