中国人民銀行(中央銀行)が9日に発表した1月の金融データによると、1月末現在、広義マネーサプライ(M2)残高は前年同期比9.4%増の221兆3000億元で、前年同期比伸び率は前月を0.7ポイント下回ったが、前年同月を1ポイント上回った。1月の新規社会融資規模は同1207億元増の5兆1700億元、新規人民元貸出は同2252億元増の3兆5800億元で、新規社会融資規模と新規人民元貸出はともに同月の過去最高を更新した。
M2伸び率は昨年10カ月続けて二桁台を維持したが、今年1月は9.4%に低下した。注意したいのは、1月末の狭義マネーサプライ(M1)残高は前年同期比14.7%増の62兆5600億元と、伸び率が前月と前年同月をそれぞれ6.1ポイントと14.7ポイントを上回ったことだ。
1月のM2の減速ペースは予想を上回った。これについて、中国民生銀行の温彬首席研究員は、「1月は例年通り納税が多い月であるため、新規財政預金は前月より2兆1240億元、前年同月より7698億元増えて1兆1700億元となり、季節要因による通貨還流が加速した。それに加え、同月の中央銀行による流動性補充は慎重で、通貨市場の資金が緊迫気味となったことが、予想を上回る通貨供給減速に繋がった」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年2月10日