クリスマスツリーのカラフルな電飾、ワインを注いだ陶器コップ、子供たちへの玩具などの祝日のプレゼント――感謝祭やクリスマスなど西側の伝統的な消費シーズンが近づくなか、これらの海を渡る「中国製造」（メイド・イン・チャイナ）が不可欠な存在になっている。製造業の重鎮と呼ばれる福建省泉州市を取材したところ、海運の高騰や輸送力の不足などが貿易に一定の影響を及ぼしているが、欧米諸国のホリデー経済が1年のピークを迎えるなか、「中国製造」の海外での販売に陰りは見られず、輸出が依然として好調だ。

　「中国製造」の輸出が好調

　晋江製の嘉利ベビーカーが26日（金）、米国の多くの売り場で飛ぶように売れた。5、6時間内に800万ドル以上の商品が売り切れになった。嘉利児童用品有限公司の陳芸娟総経理は、「今年の全体的な売上は昨年より倍増した」と嬉しそうに話した。

　晋江力利玩具有限公司の許賓賓総経理によると、第3四半期は玩具とクリスマス用品の輸出の伝統的な最盛期だ。今や人気商品の在庫がほとんどなくなっており、すでに来年の受注の生産に備えている。感染症は世界のサプライチェーンに影響を及ぼしたが、中国の生産能力は比較的安定しており、昨年より一部の注文が戻ってきている。同社の業績は感染症の逆境のなか良くなっており、今年の輸出額は1000ドル以上にのぼっているという。

　業界関係者の統計によると、世界のクリスマス用品の約8割が中国で作られている。「中国製造がなければサンタクロースは失業するだろう」とは冗談ではない。泉州市のセラミック製品の今年1-9月の輸出額は前年同期比71.4％増の66億4000万元。玩具産業の「成績表」は特に輝かしい。泉州市の今年1-9月の玩具輸出額は前年同期比290％増。晋江市安海鎮だけでも玩具メーカーが70社以上あり、国内の重要な玩具プレゼント生産・販売拠点になっている。すでに原材料、研究開発、金型、加工、塗装、金物、包装などの整った産業チェーンを形成している。

　感染症による貿易の動的な変化

　取材先の各社の経営者によると、海外の感染症の影響を受け、埠頭の労働者不足、航空便の欠航、港の混雑などが時おり発生する。これにより輸送力が不足しており、貿易に一定の動的な影響を及ぼしている。

　許氏は、「大手取引先の引取の時期が非常に早くなったというのが最も大きな感覚だ。当社は例年、クリスマス用の玩具などの商品を遅くとも8-9月頃に出荷していた。今年の大手取引先の引取は約3カ月早くなっている。新たな交付時期を受け当社は早急な準備と、サプライチェーン管理の効率向上を強いられている」と述べた。

　陳氏は、「西側諸国はこれまで中国製造の代わりとして、生産能力を東南アジアに移転していたが、今やこの発想はあまり現実的ではなくなっている。力強い感染対策により、今や高効率で高品質の中国製造が感染症の厳冬の中で抜きん出ている。中国の企業が生産停止すれば、西側諸国の民間用品は必然的に値上げを迎える」と述べた。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2021年11月29日