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japanese.china.org.cn |10. 02. 2022 |
〈中国中心都市&都市圏発展指数2020〉を発表 北京、上海、深圳が総合ランキングトップ3に
3.「生態環境」大項目:上海、北京、天津がCO2排出量最多3都市に
都市発展において、環境品質と資源効率はますます重要になっている。 「生態環境」大項目は、「環境品質」、「環境努力」、「資源効率」の3つの小項目指標を置き、「空気質指数(AQI)」、「GDP当たりCO2排出量」、「一人当たりCO2排出量」、「気候快適度」など15の指標データで構成される。同大項目は、環境品質と資源効率に焦点を当てるとともに、環境改善への取り組みをも評価する。
「CO2排出量」への評価は、「生態環境」大項目の見どころである。現在、36中心都市が排出する二酸化炭素は中国全土の29%を占めている。
「CO2排出量」を見ると、上海、北京、天津、広州、ハルビン、寧波、青島、重慶、済南、鄭州の順で排出量が多い10中心都市となっている。
「一人当たりCO2排出量」を見ると、フフホト、太原、蘭州、銀川、天津、ウルムチ、寧波、青島、北京、上海の順で排出量が多い10中心都市となっている。
「生態環境」大項目のトップ3は、深圳、上海、北京で、深圳が上海を抜いて初めて首位に立った。その他、広州、重慶、廈門、武漢、成都の5中心都市がトップ10にランクインした。
2019年と比較すると、36中心都市のうち、深圳、廈門、武漢、天津、長沙、寧波、合肥、瀋陽、西安、青島、済南、ラサ、石家荘が、同大項目ランキングで順位を上げた。
図 「生態環境」大項目2020
4.「輻射能力」大項目:北京、上海、深圳がトップ3を維持
中心都市が「中心都市」たる所以は、周辺地域乃至全国への輻射力にある。このため、都市の輻射力を測ることが中心都市評価の一大キーポイントである。「輻射能力」大項目は、「産業輻射力」、「科学技術・高等教育輻射力」、「生活文化サービス輻射力」の3つの小項目指標を立て、「製造業輻射力」、「IT産業輻射力」、「科学技術輻射力」、「高等教育輻射力」、「医療輻射力」など9の指標データから構成される。同大項目は、都市の産業、科学技術、高等教育など分野の輻射力をはかるだけでなく、生活サービス分野の輻射力も注視している。
中国の輸出産業は、2020年前半にコロナ禍で深刻な打撃を受けたが、後半は力強く回復した。「中国都市製造業輻射力2020」ランキングの上位10都市は、深圳、蘇州、東莞、上海、寧波、仏山、成都、広州、無錫、杭州となっている。興味深いのは、この10都市の中で中心都市ではない蘇州、東莞、無錫の輸出がマイナス成長になったのに対し、中心都市である深圳、上海、寧波、成都、広州、杭州はいずれも輸出のプラス成長を実現した。こうした製造業スーパーシティに牽引され、2020年に中国の輸出は4%の成長を達成した。
2020年はIT産業が大きく成長した年であり、デジタル防疫、リモートワーク、オンライン授業、遠隔医療、オンライン会議、オンラインショッピングなどが当たり前になり、コロナ禍があらゆる産業と生活のDXを推し進めた。「中国都市IT産業輻射力2020」ランキングの上位10都市は、北京、上海、深圳、杭州、広州、成都、南京、重慶、福州、武漢で、いずれも中心都市である。 この10都市には、中国のIT就業者数の58.3%、メインボード(香港、上海、深圳)上場IT企業数の77.6%、中小企業版上場IT企業数の62.5%、創業版上場IT企業数の75.3%が集中している。中国のIT産業はこれら中心都市への集中が進んでいる。
北京、上海、深圳の3都市は、「輻射能力」大項目ランキングではトップ3を維持した。特に1位の北京は3つの小項目でもすべて1位を獲得し、偏差値的に他都市を大きく引き離した。また、トップ10都市には、広州、成都、杭州、南京、西安、武漢などの中心都市が含まれている。
2019年度と比較すると、同大項目トップ10都市ランキング入りした中心都市では、武漢に代わって8位となった西安と、10位に下がった武漢を除き、その他は同じポジションを維持した。
36中心都市で見ると、2019度年と比較して、合肥、寧波、昆明、南昌、貴陽、蘭州、フフホト、銀川、ラサといった都市も順位を上げており、とくに合肥、銀川、ラサは上昇幅が際立った。
図 「輻射能力」大項目2020