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japanese.china.org.cn |10. 02. 2022 |
〈中国中心都市&都市圏発展指数2020〉を発表 北京、上海、深圳が総合ランキングトップ3に
5.「広域中枢機能」大項目:陸海空輸送の総合力で上海が4年連続トップ
交通ハブ機能は、中心都市にとって極めて重要であり、他の中枢機能を強化・増幅する基盤となる。「広域中枢機能」大項目は、「水路輸送」、「航空輸送」、「陸路輸送」の3つの小項目を設置し、「コンテナ利便性」、「空港利便性」、「鉄道利便性」、「道路輸送指数」など10の指標データで構成される。同大項目は、都市の水路輸送、陸路輸送、航空輸送のインフラと輸送量を総合的に測る。
2020年、コロナ禍で打撃を最も受けた業界のひとつは、航空輸送である。特に、長引く国際旅行規制の影響により、中国の空港旅客数は36.6%減少した。幸い、中国は新型コロナウイルスの流行を逸早く制圧し、国内航空輸送量は早期に回復したため、欧米や日本などの国々と比べ減少幅は比較的小さかった。
「中国空港旅客数2020」上位10都市は、上海、北京、広州、成都、深圳、重慶、昆明、西安、杭州、鄭州であり、いずれも中心都市である。同上位10都市が中国空港旅客数の44.9%を占めている。中国の航空輸送は中心都市に高度に集中する傾向が顕著である。
空港旅客数に比べ、2020年中国の空港航空貨物取扱量は僅か6%減であった。「中国空港航空貨物取扱量2020」上位10都市は上海、広州、深圳、北京、杭州、鄭州、成都、重慶、南京、西安で、いずれも中心都市である。このうち、深圳、杭州、鄭州、南京の4都市では、空港航空貨物取扱量が増加した。これは中国ではコロナ禍でも物流が活発に行われ、製造業サプライチェーンも迅速に回復したことを示している。中国の空港航空貨物取扱量に占める同上位10都市の割合は72.8%にも達している。航空旅客輸送と比較して、航空貨物輸送が中心都市に集中する傾向がさらに顕著である。
新型コロナパンデミックの影響でサプライチェーンと海運は世界的に大きな混乱を生じ、現在に至ってなお収まってはいない。そうした中、2020年中国の港湾コンテナ取扱量は1.2%成長を実現した。「中国港湾コンテナ取扱量2020」上位10都市は上海、寧波、深圳、広州、青島、天津、廈門、蘇州、営口、大連となり、このうち非中心都市は蘇州と営口のみである。中国の港湾コンテナ取扱量に占める同上位10都市の割合は70.8%にも達した。中国のコンテナ輸送が特定の港湾都市に高度に集中している。
陸海空輸送の総合力を盾に、上海は他都市を大きく引き離し、4年連続で「広域中枢機能」大項目の第1位を獲得した。2位から10位は、深圳、広州、北京、天津、寧波、青島、成都、廈門、重慶である。
36中心都市で見ると、深圳、寧波、成都、杭州、鄭州、西安、昆明、長沙、海口、合肥、南昌、石家荘、蘭州、南寧、長春、西寧、ラサはいずれも2019年度に比べて順位を上げた。このうち、ラサ、西寧、蘭州の上げ幅が大きく、西部地域における広域交通インフラの整備が進んでいることを示している。
図 「広域中枢機能」大項目2020
6.「開放交流」大項目:中心都市が輸出入をリード
グローバリゼーションの背景下、開放交流は都市の生命線である。「開放交流」大項目は、「国際貿易」、「国際投資」、「交流業績」の3つの小項目指標を立て、「輸入総額」、「実行ベース外資導入指数」、「海外旅行客」、「国際会議」など11の指標データから成る。同大項目は、都市と世界との人、モノ、カネの交流交易を推し量る重要な指標である。
2020年、新型コロナパンデミックで、人の国際移動が遮断され、観光や国際会議・コンベンションなどの国際交流活動に大きな打撃を与えた。また、グローバルサプライチェーンや国際間物流の世界的な混乱は、輸出入に大きな影響を及ぼした。幸い、中国は迅速に感染を抑制し、同年後半には各都市の輸出入貿易が急回復した。その結果、同年の中国輸出入総額は1.9%成長を遂げた。
2020年、36中心都市は中国輸出入総額の59%を占めた。輸出入総額の上位10都市は、上海、深圳、北京、蘇州、東莞、天津、寧波、広州、成都、廈門で、このうち8都市は中心都市である。中心都市が力強く中国の輸出入をリードしている。
「開放交流」大項目でトップ10入りした中心都市は、上海、北京、深圳、広州、天津、成都、重慶、寧波である。2019年度との比較では、上海が4年連続トップ、北京が深圳に代わり3位から2位にランクアップした。広州と天津が順位を上げ、重慶と寧波が順位を下げた。
36中心都市で見ると、2019年度に比べて北京、広州、天津、武漢、南京、鄭州、長沙、福州、済南、南昌、ハルビン、海口、南寧、ウルムチ、銀川、西寧、ラサはいずれも順位が上がった。なかでも海口、銀川、西寧の上げ幅が大きく、東南アジアや中央アジアとの交流の高まりを示した。
図 「開放交流」大項目2020