中国税関総署が7日に発表したデータによると、中国の今年1-10月の貿易額は前年同期比9.5%増の34兆6200億元だった。10月はドル建てで前年同月比0.4%減の5115億9000万ドル。10月に伸び率がやや変動したが、中国の貿易運行は全体的に健全で安定している。(筆者=魏建国・国際経済交流センター副理事長、商務部元副部長)
欧州企業は先ほど中国から大量の製品を輸入しており、現在は在庫消化の段階にある。ロシアとウクライナの衝突によりエネルギー危機とサプライチェーンの混乱が続いており、多くの欧州企業が経営難に陥っている。これは中国の10月の貿易額に変動が生じた主因だ。しかし欧州企業が在庫をスムーズに消化しており、関連要素が中国の貿易全体にもたらす影響が自然かつ短期的なものであることにも注意が必要だ。世界の中国製への需要は今後増えるばかりだ。
筆者は来年の貿易の動向を楽観しているが、これには次の4つの理由がある。
(一)中国の貿易が外部市場の変動もしくは地政学的要素の影響を受けにくくなってきている。中国の今年1-10月の一般貿易額は13.3%増の22兆900億元で、貿易額全体に占める割合は前年同期を2.1ポイント上回り63.8%にのぼった。これは改革開放以降に見られなかった現象で、中国による国内大循環を主体とし国内・国際双循環を相互に促進させる新たな発展構造の構築の貿易面の現れだ。貿易形態・構造の持続的な最適化において、一般貿易が貿易全体の過半数を占める状況下、外部の需要の疲弊が中国の貿易成長を遅らせるという一部海外メディアの説が現実になることはない。
(二)民間企業が中国の貿易発展をけん引する重要な勢力になる。今年1-10月の全国の輸出入の実績を持つ民間企業数は前年同期比7.4%増の48万4800社にのぼった。民間企業の貿易額も全体の過半数を占めており、その伸び率は全国を4.9ポイント上回った。50万社弱の民間企業が海では21世紀海上シルクロードにより、陸では中欧班列により、空では貿易チャーター便により、産業チェーン・サプライチェーンの安定を保証している。
(三)ハイテク貿易製品、機械・電力設備の輸出で世界一になっている。貿易生産モデル転換・高度化の積極的な面が持続的に顕在化しており、輸出品の競争力が上がっている。今年1-10月のハイテク製品輸出額は前年同期比4.8%増の5兆2600億元、機械・電力設備輸出額は9.6%増の11兆2500億元。産業の技術水準の向上に伴い、中国の輸出品は構造最適化、質向上、高付加価値の流れを呈している。これは「綿」や「藁」の枠組みではなく「鉄骨造」だ。中国のハイテク貿易製品と労働集約型製品はいずれもハードで、中国の貿易の健全で安定的で持続可能な構造を作っている。これはさらに、人民元レートが中国の貿易成長を左右するという一部海外メディアの間違った説を再び否定した。
(四)「一帯一路」市場が新たな成長源になっている。中国と一帯一路沿線諸国の今年1-10月の貿易額は20.9%増の11兆2300億元。ASEANが引き続き中国にとって最大の貿易パートナーとなり、中国の貿易額の15.2%を占めた。中国とRCEP14カ国との貿易額は8.4%増で、RCEPの地域貿易自由化の強みを持続的に示した。中国の貿易は来年、世界経済回復を力強くリードし、大きな推進力を提供するだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年11月9日