11月5日から10日にかけて、第5回中国国際輸入博覧会(CIIE2022、輸入博)が国家コンベンションセンター(上海)で開かれた。今回の輸入博は145の国と地域、国際組織が出展し、参加国は過去最多となった。また、127の国と地域の企業が企業ビジネス展に参加し、66の国と地域の国際組織が国家総合展に参加し、その数はいずれも前回を上回った。開幕式で習近平国家主席は『開放的で繁栄した素晴らしい未来を共に切り開く』と題して挨拶し、「開放は人類文明が進歩するための重要な原動力であり、世界が繁栄し発展するために必ず通らねばならない道だ」だと強調した。これについて多くの外国企業の代表は中国網のインタビューに対し、「輸入博は中国のハイレベルな対外開放の場となり、各国企業の経済貿易協力と交流に巨大な原動力を提供している。中国市場の未来は期待できるものであり、中国の対外開放の成果を共有できるとよい」と話した。
輸入博:市場を理解し、ビジネスチャンスを開拓する場
日本の「ガラス王」と称されるAGCグループは第1回中国国際輸入博覧会からずっと積極的に参加している。今年は自動運転や血液癌検査などに使われる新素材を展示した。同グループ執行役員で中国総代表の上田敏裕氏は「このイベントは中国全土だけでなく、世界的にも発信力があるからである。輸入博覧会は我々にとって、新しいお客様を中国で見つけていくうえでも最適でした。実際、過去の輸入博覧会でも大きなビジネスチャンスが生まれたと思っている」と話した。
ドイツのハンブルガー・ハーフェン・ウント・ロジスティク(HHLA)も輸入博の「5回の長老」である。同グループのアジア太平洋地区総代表のラース・アンク氏は、「輸入博が予定通り開催されたことを非常にうれしく思う。コロナ禍で多くの国際展示会が中止やオンライン開催になったため、輸入博のような実体展示会は特に重要。ここは友人を探し、需要を理解する重要な場である。ほかの単一業種展示会と異なり、輸入博は業種を越えた大型総合展示会で、この場を借り、参加者は他業種の動向を理解し、中国市場の発展を感じることができる」と、輸入博への特別な思いを語った。
ウルグアイ国家肉協会(INAC)も輸入博に5回参加している「常連」である。同協会のアジア地区取締役の蔡佳欣氏によると、2021年のウルグアイの牛肉の対中輸出量は28万5000トンに達し、2018年より55%増加した。「輸入博という場を通し、我々は多くの優れた信頼できる中国の輸入業者と接触することができた。輸入博は内外市場を繋ぐ架け橋、優れた資源を共有する場である」と蔡佳欣氏は述べた。
シリア展示区に出展した化粧品ブランドDAKKA KADIMAも5回参加している「リピーター」である。シリア展示区の中国現地責任者の董晶岩氏によると、同企業は2018年に輸入博に初めて参加した際、中国市場での知名度はほぼゼロだったが、輸入博を通し、中国市場を徐々に開拓していった。近年は新型コロナの影響があるものの、同社製品の中国市場での売り上げは増加傾向を維持し、国内で名が知られるようになった。
今年の輸入博で、シーメンス・エナジーは一連の調印式を行った。同グループのグローバルSVPの姚振国氏は輸入博の効果を高く評価している。「低炭素分野の中国内外の深い協力においても、エネルギー新技術と新商品の実用化においても、輸入博は重要な場である。輸入博は国際協力を推し進め、世界の最新技術の成果を共有する加速器のような役割だと思う」と話した。
タジキスタンのイスファラ食品有限会社(Isfarafud LLC)は今年初出展した。同社のムミンジョン・ママジョノフ社長はインタビューに対し、「輸入博は外国企業の対中輸出を増やすだけでなく、中国内外企業の協力と発展にも好影響を与えた」と話した。
中国市場の環境が改善 未来に期待
シリアのRam Agencyは今年初出展した。同社のモハメド・バグダシ総裁は中国網のインタビューに対し、「習近平主席の開幕式での挨拶を聴き非常にうれしく感じた。中国の指導者は演説で各国各方面の中国大市場でのチャンス共有を推し進め、質の高い‘一帯一路’共同建設を推進すると言及した。我々はシリア企業として‘一帯一路’提唱に非常に注目しており、今後、中国の企業にサービスを提供できる機会があることを強く望んでいる」と述べた。
姚振国氏は、輸入博を通し、シーメンス・エナジーは中国での発展の新たなチャンスを見つけることができたと話す。習近平主席は開幕式の挨拶で「中国の新たな発展によって世界に新たなチャンスを絶えず提供し、開放型世界経済の構築を後押しする」と述べ、これは中国が対外開放、相互利益・ウィンウィン、経済グローバル化を継続することの表れだと感じたという。「輸入博は中国のハイレベルの対外開放の推進の重要な表れである。中国の貿易投資協力の質とレベルの向上、ビジネス環境の改善などの面の措置は、多くの国際企業の自信を高めた」と話した。
フランス農業食品委員会(CAFC)駐中国首席代表の李蓓氏は以下のように述べた。中国政府はこの10年、ビジネス環境改善のための一連の政策を打ち出し、外国企業がより速くより便利に中国に投資し業務を行い、優れた商品と技術を中国に投入できるよう後押ししてきた。2021年のフランスのチーズの対中輸出量は6200トン、バターは5200トン、クリームは4万4000トンに達した。これらの数字を過去と比較すると、大幅に成長していることがわかる。(食品業界の)かなり多くの企業が中国市場に新たな布陣を敷き、中国という巨大市場を非常に重視し、期待している。
上田敏裕氏はインタビューに応じ「AGCグループは中国でいろんな方に支えていただき、外資系企業とともに大きくなり、一緒に頑張ろうという声も多く耳にした。特に近年はコロナ禍になって大変だったが、AGCグループはそれでも工場をほとんど止めずに動かし、新しい工場をいくつも建設してきた。そのような時期に、多くの中国政府の方々からのサポートがあってできた。つまり、仕組みとしても、人としても皆が支え合っていたことを深く感じた」と話した。
蔡佳欣氏は、「輸入博は世界初の輸入をテーマとした国家級展示会であり、中国が対外開放と協力を拡大し続ける確固たる決意を世界に示した」と述べた。蔡佳欣氏によると、中国が2013年にウルグアイの牛肉輸出の主な相手国になって以降、ウルグアイ国家肉協会は中国の肉類市場へのさらなる投資を強く望んでいる。近年は国際情勢が変動しているが、中国は政治、経済、社会、生態など各方面の試練に耐え、対外投資や外資導入などの分野で世界の上位に立っている。蔡佳欣氏は、「中国の一連の変化と今後の発展に非常に期待している」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年11月11日