「観光地はどこも人」「どの店も3時間は並ぶ」「1日前に映画チケットを予約しても丁度いい回がなく、すべて満席」消費の需要が最近、集中的に引き出されている。消費者一人ひとりの感想に消費回復の兆しを見て取ることができる。

　専門家は、現在の消費市場の回復が、消費の通年の持続的な回復の基礎を固めたと見ている。消費シーンの再開、住民による所得の伸び率の上昇に伴い、消費市場の活況が続く見込みだ。

観光業が力強く回復

　雲南省文化・観光庁のデータによると、今年の春節の人気観光目的地である雲南省を春節中に訪れた観光客は延べ4514万6100人で、観光収入は384億3500万元と、いずれも2019年の130％以上に回復し、新記録を樹立した。

　文化・観光部データセンターの計算によると、今年の春節連休中の全国の国内観光客数は前年同期比23.1％増の延べ3億800万人で、2019年同期の88.6％まで回復した。国内観光収入は30％増の3758億4300万元で、19年同期の73.1％まで回復。

　中国観光研究院の戴斌院長は、「年越し旅行や民俗体験などの需要が春節連休中に集中的に引き出された。観光の規模、消費構造、サービスの質、市場主体の達成感などの指標が持続的に好転し、通年の観光経済の好発進と安定増、持続的な回復の市場の基礎を固めた」との見方を示した。

免税店が大盛況

　海口税関の統計によると、海口税関が1月21−27日に監督管理した離島免税購入額は前年同期比5.88％増、21年同期比51.5％増の15億6000万元だった。免税購入者数は前年同期比9.51％増、21年同期比64.9％増の延べ15万7000人。1人平均消費額は9959元。東呉証券卸売・小売・社会サービスチーフアナリストの呉勁草氏は、離島免税の消費が旺盛で、今後も好調を維持する見込みと述べた。

映画興行成績が好調

　今年の春節の映画市場の消費は特筆に値する。国家電影局の初歩的な統計によると、23年の春節中（1月21−27日）の映画興行成績は前年同期比11.89％増の67億5800万元で、同期としては2位となった。観客動員数は13.16％増の延べ1億2900万人。

　春節中の映画市場の消費を促進するため、各地は続々と商品券を発行し、映画鑑賞の雰囲気を盛り上げた。華泰証券の朱珺アナリストは、「コンテンツ供給の再開と質向上を背景とし、中国の映画市場の需要が力強く回復する見込みだ」と述べた。信達証券はこのほど発表した報告書の中で、感染対策の最適化に伴い、2023年の春節は映画業界の回復の重要な節目になるとした。また、通年の映画興行成績は前年比67％増の501億元に回復すると予想した。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年1月30日