中央銀行がこのほど発表したデータによると、4月の人民元預金は前年同月比4609億元減だった。うち世帯預金は1兆2000億元減、非金融企業預金は1408億元減、財政性預金は5028億元増、非銀行金融機関預金は2912億元増。
第1四半期に世帯預金が9兆9000億元増加したが、4月に大幅に減少したのはなぜだろうか。
招聯消費金融有限公司首席研究員、復旦大学金融研究院兼任研究員の董希淼氏は、「資本市場の安定、資産運用商品の価値回復に伴い、住民の投資・資産運用への意欲が徐々に回復し、一部の預金が資本市場と資産運用市場に戻った。最近の金の急速な値上がりを受け、住民の一部は金関連の資産の割合を上げた。同時に最近の預金金利の持続的な低下も関係している」と述べた。
中国政策科学研究会経済政策委員会副主任の徐洪才氏は、「世帯預金の減少の重要な原因は預金金利の引き下げだ。住民は銀行預金の収益率が低下したと判断し、一部の預金を資産管理に移した」と指摘した。
中央銀行が都市部預金者を対象に実施したアンケート調査によると、今年第1四半期に「消費に回す」とした住民は前四半期比0.5ポイント増の23.2%で、「投資に回す」は3.3ポイント増の18.8%だった。「貯蓄に回す」は3.8ポイント減の58%。
消費は4月に18.4%増
国家統計局が16日に発表したデータによると、4月の社会消費財小売総額は前年同月比18.4%増の3兆4910億元で、伸び率が前月を7.8ポイント上回った。
徐氏は消費の伸び率の大幅な回復の理由について、「感染症の影響が薄れるにつれ、消費が4月に第1四半期の回復の流れを維持した。さらに前年4月の消費の基準値が低かったことから、消費の伸び率が大幅に回復した」と分析した。
消費は今年に入り全体的に回復・好転している。特にそれまで抑えられていたサービス性消費の需要が急速に引き出された。住民の買い物、食事、観光、映画鑑賞の増加に伴い、関連する消費が大幅に増えている。4月の飲食収入は43.8%増の3751億元。営業性客運量は倍増し、映画興行収入も大幅に増加した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月17日