エジプトが参加を申請、BRICSの影響力を高める

中国網日本語版  |  2023-06-25

エジプトが参加を申請、BRICSの影響力を高める。

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発信時間:2023-06-25 11:47:35 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 メディアの報道によると、エジプトが正式にBRICSへの参加を申請し、かつBRICSの「脱米ドル」に強い興味を示している。BRICSへの参加を申請しているのはエジプトだけではなく、エジプトを含む19カ国が参加の意向を持っている。うち13カ国が正式に申請を行い、6カ国が仮の申請を行っている。


 エジプトなどの多くの発展途上国がBRICSに参加しようとしているのはなぜか。これは現在の国際情勢と強く関連している。BRICSを始めとする発展途上国の集団的な台頭に伴い、グローバルパワーに重大な変化が生じている。世界は百年に一度の大きな変局に直面している。米国を始めとする西側諸国はこの国際的な事実を尊重しないばかりか、もたれ合い「小グループ」の政治を行い、これにより米国及び西側の現在の国際秩序における既得権益を守ろうとしている。西側の一部の国は発展途上国の集団的な台頭を受け、保護貿易、一国主義、「デカップリング」「チェーン寸断」という冷戦思考によって対応し、発展途上国の正当な発展の権利を奪おうとしている。


 今回のBRICS閣僚級会合で議論された「脱米ドル」は、何も新しい現象ではない。過去10数年に渡る発展途上国の集団的な台頭に伴い、国際通貨体制におけるドルのシェアが持続的に低下した。米国とその同盟国は制裁を乱用し、ウクライナ危機勃発後にロシアの外貨準備を凍結し、かつロシアを国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済システムから排除した。ロシアは国際貿易及び往来においてドルやユーロなどの西側通貨を使用できなくなり、世界の「脱米ドル」が加速した。主要経済体及び新興市場は、ドルの国際金融体制における役割を疑問視している。ドルの武器利用は歴史が古く、多くの国の米国への不信を招いている。


 この大きな国際的な背景を受け、発展途上国は自ずと警戒心を強めている。発展を願うすべての発展途上国が、西側の「小グループ」の矛先を向けられる可能性があるからだ。西側集団からの排斥により、発展途上国は活路を模索している。新興国及び発展途上国の集団的な台頭を代表するBRICSの実力と、発展途上国に対する魅力が高まっている。BRICSはその高い経済力と潜在力により、世界経済成長のエンジンになった。世界のGDPに占めるBRICSの割合は31.5%超と、その他の経済体を大きく上回っている。


 BRICSは設立後、多国間主義を貫き、平等とコンセンサスという意思決定方針を採用し、互恵とウィンウィンを促している。複雑な国際構造の変化を受け、BRICSは全面的で緊密で実務的で包摂の高品質パートナーシップを構築し、パートナーを作り同盟を避けている。BRICSはすでにグローバルガバナンスの変革を促す重要なパワーになっている。


 騒々しい排他主義と保護主義の逆流に対して、BRICSの協力は閉鎖的な「小グループ」に成り下がらず、順を追い一歩ずつ進める原則を堅持し、BRICS参加国拡大を適切な時期に開始する。2022年と23年に開かれたBRICS外相会議はその他の招待国の外相も招き、多くの新興市場国及び発展途上国に新たな協力の場を構築した。これを背景とし、エジプトは正式にBRICSへの参加を申請した。BRICSは現在、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの声を代表している。エジプトが参加すれば、BRICSはアラブ世界の意見を考慮できるようになる。


 より多くの新興市場国及び発展途上国がBRICSの協力により深く浸透するに伴い、BRICSもより豊富な協力の成果でより大きな魅力を示し、グローバルガバナンス体制の建設的な変革を促すより大きな力になる。(筆者・袁武中国社会科学院西アジア・アフリカ研究所副研究員)


「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月25日

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