一部の市場調査会社はこのほど、今年上半期のテレビ市場関連の報告書を相次いで発表した。多くの報告書によると、中国の家庭のテレビが大型化している。
洛図科技が発表した「世界液晶テレビパネル市場月間追跡報告書」によると、中国大陸部のテレビパネル出荷量は8145万枚で、世界市場シェアは70%と記録を更新した。うち65インチや75インチなどの大型パネルが高い増加率を示し。前者が前年同期比3.1%増の約1250万枚、後者が24.5%増の約600万枚にのぼった。全体的に見ると、世界の液晶テレビパネルの平均サイズは2022年の46.1インチから今年上半期の47.9インチに拡大した。中国テレビ完成品市場の平均サイズは今年6月の段階で60インチを突破した。
奥維雲網が発表した「2023年上半期中国テレビ市場総括報告書」によると、今年上半期の中国テレビ市場販売台数は1467万台で、売上高は487億元。うち75インチの販売台数が7.1%増で、増加率が最も高いサイズとなった。同報告書によると、中国人消費者の観念に変化が生じており、消費状態が基礎的需要を満たす段階から質の需要を満たす段階に移っている。これにより業界の成長論理が総量の増加から構造の増加へと移り変わっている。
テレビのサイズが大きくなった理由とは何か。中国視像業界協会の董敏副秘書長は、次の3点を指摘した。
(一)力強い地場サプライチェーン。テレビの中核部品はパネルだ。世界のパネル生産のサプライチェーンは近年中国に移っており、中国が最大のパネル生産拠点及び販売センターになった。力強い地場サプライチェーンによりパネルのコストが大幅に下がり、大型テレビの好調な売れ行きの条件を整えた。
(二)製品ラインナップの最適化。表示技術の持続的な進歩に伴い、テレビの解像度、コントラスト比、色彩、輝度などの性能が大幅に向上した。これらの性能の強みを十分に示すため、テレビはサイズを大きくし解像度を高めることで、画像の細部を見やすくしリアルにする必要がある。市場の変化に適応するため、関連メーカーもより高品質な方向に前進している。
(三)住民の消費の高度化。住民の所得水準の持続的な向上に伴い、消費者のテレビ製品の需要も基本的な需要を満たす段階から、高品質・高体験・高付加価値を求める段階に移っている。大型テレビは消費者の画面効果への要求を満たすだけでなく、スマートリモコン、ネットサーフィン、マルチメディアなどのサービスを提供できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年8月14日