2023年上半期、中国の越境EC（電子商取引）輸出入額は二ケタの急成長を実現した。越境ECは多くの貿易会社にとって受注獲得のための重要な手段となっており、中国の対外貿易の規模安定と構造改善を効果的に支えている。

　記者が浙江省杭州市の貿易会社を訪問した際、同社の責任者は「今年に入ってから、輸出情勢をめぐる全体的な圧力は大きくなったが、企業は越境ECを通じて海外の消費者にきめ細かく対応しており、昨年20万ドル未満だった毎月のネット販売額は300万ドル以上になったうえ、製造業のモデル転換と高度化にもつながった」と語った。

　貿易の中間段階を減らすとともに、時間的空間的な制限を打破し、多くの伝統的な貿易会社は越境ECへの転換を加速している。今年上半期、中国の越境ECの輸出入総額は1兆1000億元で、前年同期比16%増加した。

　物流効率を高め、海外消費者のショッピング体験を向上させるため、多くの越境EC事業者は海外倉庫を設立した。今や中国が設立した越境ECの海外倉庫は1500カ所超、面積は1900万平方メートルを超え、その90％が情報化スマート化されている。

　中国はまた、税制・通関・決済などの面で一連の支援措置を打ち出し、革新的な監督管理方式と支援政策を通じて、越境ECや海外倉庫などの新業態の急速な発展を後押ししている。

　これまでに中国で設立が許可された越境EC総合試験区は165カ所に達し、31の省・区・市をカバーする。越境ECはすでに中国の対外経済貿易協力の新たな柱となっている。

　中国の越境EC貨物輸出入額が対外貿易全体に占める割合は、5年前の1%未満から5%前後に上昇した。中国の越境EC事業者はすでに10万社を超え、輸出入額1億元以上の企業は約7800社にのぼる。越境ECはすでに中国の対外貿易発展の新しいエネルギー、モデル転換と高度化の新しいチャネル、質の高い発展への新たな足がかりとなっている。

   「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年8月31日