「醤香ラテ」が流行 コラボの意義と教訓とは?

中国網日本語版  |  2023-09-06

「醤香ラテ」が流行 コラボの意義と教訓とは?。

タグ:コラボ ラテ お酒 消費者 ブランド 贅沢品

発信時間:2023-09-06 11:06:52 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 「醤香ラテ」は9月4日の発表後、直ちに注目の的になった。このコラボ商品は初日だけでも542万杯以上売れ、売上が1億元以上にのぼった。このデータが本当ならば、大成功のマーケティングと言える。このようなコラボは需要を効果的に刺激できる。中国は内需拡大に取り組み続けているが、コラボは消費市場を刺激する新たな発想を提供した。

 コラボを行う双方もしくは各社にとって、これにはさらに次の意義がある。

 (一)コラボはブランド双方の注目度を高める。コラボで重要なのはその話題性だ。今やインターネットはweb2.0のUGC(ユーザー生成コンテンツ)時代だ。この時代にある商品を流行させようとするならば、SNSがその突破口になる。淄博串焼きはその成熟したケースだ。つまりブランドマーケティングからすれば、注目の的になれば(特にSNSの自発的な伝播)ブランドの知名度アップにつながる。

 (二)ターゲットの消費の価値観の融合。朝食は鶏卵と牛乳か、それともおかゆと油条かという議論があったように、多くの商品はターゲットがはっきり分かれている。しかし消費を見ると、コーヒーにお酒を加える、コーヒーに豆乳を加えるといった融合商品は伝統的な消費の価値観の「次元の壁」を打ち破り、「中洋折衷」を奏でる。

 (三)潜在的なターゲットの発掘。典型的なコラボは「贅沢品+量販モデル」だ。一般人にとって贅沢品は遠い存在だが、コラボにより親しみやすくなった贅沢品は一般人の家庭に進出できる。贅沢品そのものにとっても、コラボにより大衆が体験できる商品になり、より広く普及すれば未来の潜在的な消費者を育成できる。

 上述したようにコラボは奨励されるべきだが、何も気にせず適当にやれるわけではない。慎重にやらなければコラボは「共倒れ」を引き起こしやすい。そのためコラボは次の数点について評価する必要がある。

 (一)ブランドイメージの低下を回避する。コラボ商品に品質問題が生じる、もしくは使用体験が悪ければ、消費者はブランドに対してネガティブな印象を持つ。コラボした双方はイメージが共に低下するか、共に向上するかだ。

 (二)自身のブランドのステータスを考慮する。このステータスとはブランドが一般人に与える影響のことだ。例えば贅沢品ブランドは通常、廉価版を売ろうとしないが、これはブランドのステータスを下げ、後に高額で販売しにくくなるためだ。コラボは往々にして贅沢品と薄利多売商品の結合だ。贅沢品は多くの消費者を獲得できるが、同時にそのステータスも変化し、元の消費者に影響を及ぼす可能性がある。

 コラボには長所があれば短所もある。重要なのはマーケティングの前に熟慮し、コラボの計画をしっかり立て、収益とコストに関する量化された予想を行うことだ。しかし何はともあれ、コラボの流行は中国企業が差別化競争の時代に入ったことを意味し、多くの中国企業にとっては慎重に考慮してから試す価値がある。

 (筆者=盤和林・浙江大学国際連合商学院デジタル経済・金融イノベーション研究センター連席主任、研究員)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月6日

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