中国では今年に入ってから、クラウドコンピューティング市場の急速な成長やインフラの整備、産業チェーンの拡大、統合アプリケーションの出現など、さまざまな産業のデジタル変革と高度化が加速している。
工業・情報化部の最新統計によると、今年上半期(1~6月)の国内クラウド市場の規模は前年同期比40.11%増の2686億元に上った。国内のインターネット企業やクラウド企業は、人工知能(AI)やビッグモデル分野への研究開発投資を強化。大規模並行処理や大容量データストレージなどの重要コア技術でブレークスルーが続いており、一部の指標は世界最先端レベルに達している。
今年に入ってから、各地でクラウドの導入が加速している。データによると、今年上半期、クラウドに代表される新型インフラ建設への投資は前年同期比で16.2%増加。このうちスマートエネルギーやスマート交通などの新型融合インフラ投資は34.1%増加した。
現在、クラウド技術によって暮らしは大きく変わった。湖北省宜昌市では、デジタルツインとスマート技術を組み合わせて、交通流の円滑化に向けたデータ駆動型意思決定をサポートすることで、移動時間を最大50%短縮できるようになった。
生産面でも企業はクラウドの活用を促進している。中国では現在、業界や分野を跨ぐ50の産業用インターネットプラットフォームを構築しており、平均218万台以上の産業用機器を接続、23万4千社以上にサービスを提供している。上海市では先ごろ、企業のクラウド化を促進する「万企上雲中小企業急成長加速パッケージ」が打ち出された。中小企業は自社の事業ニーズやコストに応じて、デジタル化やスマート化、高度化に必要なリソースアイテムを柔軟に選択でき、かつクラウド化に必要な各種設定をワンストップで完了することができる。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速とクラウドコンピューティング技術の成熟に伴い、国内のクラウド市場は急速な成長が続いており、2025年までに市場規模は1兆元を超えると予想される。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月23日