ドイツの元中国駐在記者であるフェリックス・リー氏は、フォルクスワーゲン(VW)第1期北京駐在首席代表である父、李文波氏に関する著作「中国、私の父と私」を記した。独週刊ビジネス誌「Wirtschafts Woche」が伝えた。
「Wirtschafts Woche」の記者:あなたがいなければ、今日の中国にVWの工場はなかったのでしょうか。
李文波氏:必ずしもそうではないが、私は少なくともVWの中国進出に関する重要な仕事に参加した。私は1978年にヴォルフスブルクで唯一中国語を話せる従業員だった。中国の機械工業部門の当局者が急に入口に現れ、私たちの工場を見学しようとした時、私は通訳をやらされた。
フェリックス・リー氏:今回の交流で、双方は中国とVWに協力のチャンスがあると意識した。
記者:本書の「かつては中国がVWに依存し、今日はVWが中国に依存している」という言葉が印象的でしたが、その依存はどの程度でしょうか。
フェリックス・リー氏:VWは中国から撤退すれば経営を維持できない。中国は現在、VWにとって最も重要な販売先だ。また中国の先端技術分野も現在、VWにとって極めて重要だ。トップクラスのリーグでプレイしない選手は国際市場で重要な力を発揮できない。
李文波氏:今やVWの電気自動車(EV)を購入する中国人は少ない。BYDが断トツでトップだ。今年の上海国際モーターショーで人々が興味を持ったのはVWではなくBYDだ。これは近年の業界の発展状況をはっきり示した。
記者:ドイツの自動車産業の技術は本当にそれほど立ち遅れているのでしょうか。
李文波氏:ドイツが中国をリードしているという考え方は今や成り立たなくなった。イノベーションは努力と、既存の製品のたゆまぬ改善によって実現される。私たちが努力しなければ、長期的に見ると中国人はより優れた技術を手にする。かつて中国の従業員もしくはサプライヤーは頻繁に学習のためドイツを訪れた。今や私たちの機械技術者が学習のため中国に派遣されるようになった。時代は変わっている。
ドイツ人は自動車を単なる交通ツールとしているが、今や自動車はより多くの機能を持ち、車輪のついたスマートホンになるべきだ。これを理解すべき時が来たのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年10月24日