8日付英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、「中国事業の拡大を検討中:外資系企業が中国貿易博覧会で心の声を吐露」(副題は「経済面の懸念と地政学的な緊張を顧みず海外企業が続々と上海輸入博に復帰」)と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
米国の大豆PR展示ブースからわずか数メートル離れた場所で、米国のバーンズ駐中国大使は待ち切れないとばかりに、世界最大の貿易展への米国の貢献を強調した。「米国の企業と出展業者は今年、他国を上回り最多となった」バーンズ氏は中国国際輸入博覧会(輸入博)で記者に語った。「米国代表団の出展は、米中の全面的な関係の発展への取り組みを示している」
地政学的な緊張や、コロナ後の回復の勢いが予想以下であっても、このような賑やかな光景は中国と外資系企業の協力強化の未来を予期している。
緊張情勢において寒さを感じている世界の数千の企業にとって、上海で開催中の輸入博は一つのチャンスで、持続的に成長する中国市場への約束を再び強調できる。ドール・フード・カンパニーのマーケティング担当者は、「当社は1級都市のみをターゲット市場としている。これらの都市の消費水準がより高いからだが、今後は中小都市まで事業を拡大する予定だ」と述べた。
輸入博メディアセンターの画面ではあるビジネス界代表者のインタビューの様子が再生された。スタンダードチャータード銀行(中国)の張暁蕾・頭取兼総裁は、「当行は中国と世界市場を結びつけている」と述べた。アーンスト・アンド・ヤングのパートナーのBongart氏は、外資系企業にとって輸入博は盛大な集まりであると評価した。
小規模な企業もコロナ後の開放の受益者になろうと切に願っており、多くの展示ブースに中国の業者が集まった。グルジアのワイン企業の代表者は、「上海に来るのは初めてだ。ここは大きな市場で、当社は一歩ずつ発展しようと取り組んでいる」と述べた。
本社を英国に置くピカリング・エレクトロニクスも初出展となった。マーケティング責任者のウッドフォード氏は、「当社と商談しようとする人がどれほどいるか不安だったが、来場者数は予想以上で、多くの人が展示ブースに来てくれた。当社は中国の急速な工業発展の受益者になる。製造業の発展を急ぎ、かつ製造コストが上がることで、中国は自動化の程度を上げざるを得なくなる。これは当社が同分野に進出するためのチャンスだ」と述べた。
また、中国の対外直接投資の誘惑について語る人もいた。2007年より中国と越境金融事業を展開しているギリシャの投資家のヴラホス氏は、「中国がギリシャに直接投資を行うチャンスがあると信じている。これは私がここに来た理由だ。ある中国の自動車メーカーは今年7月、アテネの250台の電動路線バス事業を落札した。ギリシャのミツォタキス首相は輸入博開幕前に北京を訪問したが、これはギリシャが米国の圧力を受けながらも中国を避けないことを示した」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年11月9日