オフショアサービスの他にも、外資系銀行はグローバルネットワークの強みを活かし、海外進出する中国系企業に金融サービスを提供し、「一帯一路」の高品質共同建設を支えている。
王氏は、「製造企業の海外での工場設立、中国系企業による現地のインフラ整備への参加、ECプラットフォームや新エネ企業の海外進出など、外資系銀行はコネクタとしての力を発揮している。例えばHSBCは欧州で工場を設立する中国EVバッテリーメーカー向けに、長期固定金利外債を2回発行し、その子会社が巨額の中期銀行シンジケート融資を受けられるよう協力した。ウズベキスタンでは、中国系企業が参加する風力発電プロジェクトに総額4700万ドルの特別信用保証枠を提供した。アラブ首長国連邦では、海水淡水化プロジェクトに参加する中国ゼネコンに売掛金融資取引などの金融サービスを提供した」と述べた。
外資系銀行は人民元国際化の支援において、パンダ債の発行を積極的に請け負い、オフショア人民元融資などの業務を行っている。HSBC中国は2015年より共同メイン請負業者として国際発行者による30件弱のパンダ債発行に協力している。累計発行規模は500億元以上。
HSBC中国常務副頭取兼副行政総裁の程卓雄氏は、「ソブリン類発行者、多国間機関、企業発行者のいずれであっても意思疎通と説明により、中国の債券市場への理解を深めるよう協力する必要がある。外資系銀行は制度や市場のマッチングにおいてその強みを発揮できる」と述べた。
張氏は記者に、「グループは人民元国際化事業を持続的に展開する。シンガポールで人民元建て貸借対照表を作ることを検討中だ。また人民元のレートが相対的に低いという強みを活かし、より多くのオフショア人民元融資業務を促進する」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年11月23日