中国が世界最大の自動車生産・販売国になってから、あっという間に14年たつ。新エネ車が世界の生産・販売台数ランキングの首位を占めるようになり、もう8年だ。しかし中国は世界の自動車技術強国になるため弛まず努力している。中国は2020年に「スマートカーイノベーション発展戦略」を通達した。自動車産業が国の支柱産業の一つになった後、中央政府は自動車産業の技術進化の新たな発展を促すため方向を示した。
中国自動車メーカーはスマート・電動化の大きな渦に巻き込まれた。メーカーの高度な競争により、中国車全体のスマート化水準が海外の同業者と肩を並べ、さらにはリードするようになった。この状況は必然的に欧州、米国、日本、韓国のメーカーに圧力を与え、長期と短期の懸念をもたらす。先進国の自動車消費には一定の慣性があり、グローバルメーカーはスマート化の面で新製品を打ち出すことを急がなくても、伝統的な市場で従来の成果を享受できる。ところが中国車のスマート・電動化の波は、世界の既存の業界のエコシステムを再構築しようとしている。この市場の新たな戦法は、先進国の伝統的な自動車市場の安定的な礎を徐々に揺るがし、最終的にグローバルメーカーの先行者の強みを弱める可能性が高い。
今回のグローバルな自動車技術のモデル転換の波において、中国メーカーは段階的なリードを手にし、また技術の底力によって先進国の自動車市場を開拓できるようになった。自動車産業を持たない国は、自動車市場の開放度が最も高い。ところが自動車産業を国の支柱産業とする自動車製造大国(往々にして自動車消費大国でもある)にとっては、自動車産業は国家産業エコシステムの主体部分だ。これらの国の自動車市場を開拓するためにはいっそう丁寧になるべきだ。力任せと資金力で急いては事を仕損じる。それよりも我慢強く、粘り強く現地の産業エコシステムに溶け込み、現地の消費者により良くサービスを提供するべきだ。(筆者・鐘師自動車業界アナリスト)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年11月24日