中国・欧州デジタル協会のルイージ・ガンバーデラ会長はこのほど、新華社の独占取材に応じ、中国政府が先ごろ、同国を訪れる際のビザ(査証)免除措置の対象国を試験的に拡大すると発表したことについて、「大いに称賛に値する」と語った。
免除措置が欧州諸国に拡大されることは、より多くの外国人旅行者に恩恵をもたらすだけでなく、欧州企業の対中投資に対する自信を強めることにもつながるとしている。
中国政府は先月、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、マレーシアの6カ国の一般旅券所持者を対象に、一時的にビザ免除措置を拡大すると発表した。ガンバーデラ氏は、経済的視点から考えて、この措置は中国のインバウンド観光の成長を大幅に後押しするだろうと指摘した。
中国の大手旅行予約サイト「トリップドットコム(Trip.com)」によると、同措置の発表以来、同社の専用ページ「中国旅行指南」へのアクセス数は30%以上増加したという。
ガンバーデラ氏は、インバウンド観光の成長は、中国の観光関連産業全体への投資を促進するとともに、欧州の中小企業にとって商談や展示会などでの訪中がより便利になるとの見方を示した。
観光は、経済成長にとって重要な原動力になるだけでなく、国家間の理解や文化交流を深める力にもなる。異なる国や文化が実際にどのようなものであるかを真に理解するには、実体験が必要となる。中国を訪れみて、初めて中国に対する固定観念が変わったとする人も多いという。
ガンバーデラ氏は、中国は自国の文化が持つ魅力に年々自信を深めており、世界との貿易や文化交流に一層積極的に参加していることを指摘した。
外国人旅行者が中国を訪れた際、あらゆるサービスが旅行代理店を通じてオンラインで予約できるようになった。また、中国のスマートフォン決済サービスの微信支付(ウィーチャットペイ)や支付宝(アリペイ)が7月から、海外発行のクレジットカードと紐づけできるようになったことで、中国での旅行がしやすくなった。
ガンバーデラ氏は、中国人に長期滞在ビザ(査証)を発給したり、審査手続きを迅速化したりするなど、同様の措置を求める「相互主義」を検討することは、欧州の観光業界にとって「非常に有益」だとの見方を示した。
中国経済の規模や強さを考えれば、観光やビジネス需要でより多くの中国人を欧州に取り込めるはずで、欧州の経済成長に好影響を及ぼすだろう。こうしたやり方は、中国・欧州間の協力や理解促進につながる上、ポストコロナ時代には特に重要となる。海外旅行や観光業の回復は、世界経済の回復や国際関係の強化に極めて重要だ。
ベルギーの首都ブリュッセルに本部を置く中国・欧州デジタル協会は、双方間あデジタル経済における対話、相互信頼、ビジネス協力に取り組んでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月10日