「イエメンの武装組織フーシが紅海の船舶を襲撃し、国際貿易の脅威となっている」17日付スイス紙「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」は、商船への襲撃が相次いでいることから、スイスの世界海運大手のマースクと独ハパックロイドが先週金曜日、紅海の運航の一時停止を発表したと伝えた。これに続き、スイスのMSCと仏CMA CGMも16日、同様の措置を発表した。長栄海運は18日、「当社は安全面を考慮し、イスラエルの貿易サービスを即時、一時停止とする」との声明を発表した。世界最大の海運数社が紅海の運航を一時停止したことで、より多くの海運各社が影響を受けることになる。
エネルギー輸送だけでなく、自動車やその他の貿易も影響を受ける。独ニュースサイトは17日、紅海の緊張情勢の激化を受け、中国から欧州に輸出されるテスラ製EVが、喜望峰を経由する代替ルートを選択したと伝えた。業界内の専門家によると、航路が延びることでEVの輸送費が約20%上がると述べた。
上海海事大学高級エンジニア、上海国際航運研究センター最高情報責任者(CIO)の徐凱氏は18日、「環球時報」の取材に対して、「この状況がスムーズに解消されれば、市場への影響は短期的だ。しかし運航の一時停止が続けば、多くの港と航路で渋滞が発生し、迂回するためのコストも生じる。市場の輸送力が短期的に不足し、市場の需給バランスが乱れ、さらには2021年の輸送費急騰の再現もありえる。これは現在の異常事態がいつまで続くかで決まる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月19日