多くの企業が中国の高齢者という、日の出の勢いの新たな成長市場に目を向けている。中国は高齢者が最も多い国だ。この日増しに拡大する集団により、グローバル企業と地場企業は中国市場における長期成長の機会を見直している。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が伝えた。

　スイスの食品・飲料大手のネスレは、アジア向けに新生児用粉ミルクを輸出する1工場を閉鎖すると発表した。米アボットは、中国の乳幼児食品事業を徐々に終了し、成人用の栄養商品の販売に転じると発表した。仏食品企業のダノンは中国で先月、成人向けの医療栄養商品を発表した。ターゲットは手術もしくは脳卒中から回復した患者。ケンタッキーやピザハットなどを経営するヤム・ブランズの中国法人は、高齢の利用客を集めようとメニューを調整している。微信と支付宝はアプリの、文字とキーがより大きいバージョンをリリースした。抖音（中国版TikTok）は高齢者に「高齢者モード」を提供した。上海市の定年退職者の羅慧萍さん（67歳、音訳）は、高齢者向けのマーケティングや広告を気にしないという。彼女は微信の音声機能による情報もしくは文章の朗読に依存している。

　市場アナリストによると、中国の一部の高齢者は朝5時に起床し、ショート動画で暇つぶしをする。さらに多くの高齢者は朝の家事を終えると糖豆などのプラットフォームに向かう。そこには広場舞や健康体操などの運動の教育動画がある。中国の「シルバー族」はさらに国内旅行のブームを起こした。彼らには在職中の成人よりも旅行に費やす多くの時間がある。

　高齢化問題の豊富な経験を持つ日本企業も中国の成長のチャンスを利用している。パナソニックと中国の提携先は上海から西に120マイルの地方で健康養老コミュニティを開発した。

　｢中国網日本語版(チャイナネット)｣2023年12月20日