米CNNは2日、「BYDがテスラを抜き、世界最大の電気自動車(EV)メーカーになった」と伝えた。BYDの昨年第4四半期のEV販売台数は52万6409台で、米競合他社テスラは48万4507台だった。米サイト「ビジネスインサイダー」は、「テスラがEVの王冠を失った」とため息を漏らした。米メディアは、急成長する新エネ車分野に激変が生じているとした。BYDの昨年の新エネ車販売台数は300万台以上で、テスラは約181万台だった。BYDのマイルストーンの意義を持つ成長は、競争の激しいEV市場における中国の影響力の高まりを象徴している。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」はこのほど、「この中国企業の成長率は最近、常にテスラを上回っていた。製品がより斬新で価格が割安である他にも、BYDには中国のより大きなEV市場という強みがある」と伝えた。2日付英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、「BYDは現在すでに業界のリーダーと呼ばれている。生産コスト面の強みを保っており、さらに高い垂直統合能力を持つ。例えばBYDは世界最大のEVバッテリーメーカーの一つを所有している」と伝えた。
米国は先ほど、中国の新エネバッテリー産業チェーンを除外することを目的とした税制優遇制度により、多くのグローバル自動車ブランドを除外した。米国のバッテリー調達新制度が1日、正式に発効した。ロイター通信は、「この影響を受け、米国のEV税制優遇条件を満たすEVが当初の43車種から19車種に減った。テスラのモデル3、シボレーのトレイルブレイザー、日産のリーフが最大7500ドルの税制優遇資格を失った」と伝えた。
EUも以前、中国製の新エネ車の規制を強化した。EUは昨年7月に新たなバッテリー法案を可決し、10月より中国製EVの反補助金調査を開始した。CO2排出や関税などの面で、中国製EVのEU進出のハードルを引き上げようとしている。
中泰先物研究院の陳思捷研究員は、「長期の蓄積により、中国新エネ車産業が急速に発展した。原材料の炭酸リチウムからリチウム電池、さらには新エネ車に至る産業チェーン全体で世界をリードしている。欧米からの圧力により、産業チェーン全体が短期的に一定の衝撃を受ける。長期的に見ると、新エネ車産業全体は川上のリチウム、中流のバッテリー、川下の完成車に至る海外の工場建設ペースを持続的に上げるため、長期的な影響は限定的になるだろう」と述べた。沃達福デジタル自動車国際協力研究センターの張翔主任は、世界の新エネモデル転換がもたらす市場は比較的大きく、中国自動車メーカーは欧米市場以外の国も開拓できるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年1月3日