富士フィルムは20日、前世代のX100Vから4年ぶりとなる新製品「X100VI」を発表した。X100VIは今回の更新により新たに開発されたボディ内手ブレ補正が搭載され、20種類のフィルムシミュレーションを手にした。またディープラーニング技術を用いて開発したAIによる被写体検出AFを搭載した。経済観察報が伝えた。
製品の予約開始から24時間で、富士(FUJIFILM)京東旗艦店の予約が30万台を超えた。製品のページによると、消費者は予約し抽選で当選した場合、3月1日に購入する資格を得ることができる。
新製品だけでなく、多くの製品の供給不足はこの2年間に渡り、富士フィルム(中国)の孫東亮副総経理にとって悩みの種となっている。「当社は必死になり東京から、さらには世界から製品を調達している」
グローバル企業の富士フィルム(中国)の業務の意思決定は、東京本社の許可が必要だ。東京本社が中国市場を理解するためには、中国チームがその間に立ち絶えず意思疎通と伝達を行う必要があるが、双方の認識にはズレが生じがちだ。またこれにはコミュニケーションのコストが発生する。さらに新型コロナ禍の原材料の不足(特に半導体)、生産の遅延、物流の混乱などの問題があり、態勢を整える期間が必要になった。
さらに中国カメラ市場の急台頭が、富士フィルム東京本社の認識を上回ったという、より深いレベルの理由がある。
日本のカメラ映像機器工業会(CIPA)が2月1日に発表した報告書によると、日本のデジタルカメラの世界売上は2023年に前年比4.9%増の7143億円にのぼり、3年連続で増加した。
地域別に見ると、中国市場は前年比24.6%増の1977億円で、伸び率が日本市場を上回った。また欧州及び米国市場は前年比で減少した。
カメラはこの2年間で、電子テクノロジー市場のブラックホールになった。新発売された一部の機種は需要に供給が追いつかず、消費者は販売代理店からお気に入りのカメラを定価で購入するのが困難になった。また数年前に発売開始となった人気機種の価格も上がり続け、2級市場ではさらに40%のプレミアム価格が生じた。この状況下、カメラの代表的なメーカーの出荷台数と売上が記録更新を続けた。
「日本のカメラ市場の成長は、多くの若者によって支えることができない。ところが中国では若者の力が非常に顕著だ」孫氏は、活気づく若者の力により中国が独自の高成長市場になるのを目の当たりにした。
中国市場が力強く成長しながらも、カメラ市場の十数年の変遷を追ってきた就業者の一人である孫氏は慎重な態度を保っている。特にSora(米AI研究会社OpenAIが発表した動画生成AIモデル)の登場により、孫氏はカメラの「ナマズ効果」が訪れると予感している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年2月27日