先ほど発表された世界ECランキングのうち、アクセス数や新規登録者数を見ても、中国EC企業や出資するECプラットフォーマーが大きく順位を上げている。米調査会社「Sensor Tower」による今年1月の月間アクセス数調査データによると、東南アジア市場をメインとする中国系ECプラットフォーム「Shopee(ショッピー)」が米アマゾンを抑え首位になった。同期の世界トップ10のECプラットフォームのうち7つが中国企業の子会社か中国企業が出資。確かな製造業の基礎、成熟したモデル、豊富なEC運営経験により、中国のECプラットフォームは世界の小売業再編においてより重要な役割を演じている。
各先進エコノミーの小売業発展の歩みを見ると、ほぼどれもが「雑貨店―百貨店―コンビニ+大型チェーンスーパー―EC」という発展の道をたどっている。中国の小売業発展はやや特殊で、「コンビニ+大型チェーンスーパー」が主流の小売モデルにならず、さらにはトップブランドが樹立されないまま、中国ECが小売業界に全面的に進出した。この後発者の利益により、中国ECは技術・価格・市場の強みを利用し伝統的な小売業に対して、ビジネスモデルとデジタル化の二重の更新を行った。伝統的な「コンビニ+大型スーパー」は発展しないうちにECの脇役に落ちぶれた。ECプラットフォームはスムーズに国内で全面展開し、市場を占め、小売業の発展の道を書き換えた。また多くの技術者に活躍の場を与えた。物流業はECの台頭に伴い全面的な更新と高度化を実現した。
先進国の成熟した巨大なオフライン小売モデルを前にし、ECはパイの獲得が困難とする見方が多かったが、各国のEC発展はほぼ、その1人平均GDPと正比例をなす。先進国と新興市場国のECは中国ECの後を追い、小売業に占める割合を高めている。中国ECプラットフォームの進出は各国のEC発展に見本をもたらすと同時に、先進国と新興市場国の発展及び試行錯誤のコストを下げ、同時に各国の物流システムのさらなる成熟をけん引した。先進国のオフライン中心の小売モデルの持続的かつ前向きな発展と更新を促し、世界でEC発展に有利な全体的な趨勢を形成し、世界の消費財小売業の構造を再構築した。(筆者=劉戈・財政・経済コメンテーター)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月10日