米ブルームバーグはこのほど、コラムニストのデービッド・フィックリング氏による記事を掲載した。記事は、米国及び欧州政府はコストパフォーマンスが高い中国製クリーン製品を排除することに熱心だが、この経済的な保護主義は世界のエネルギーモデル転換を遅らせるとした。記事の要旨は下記の通り。
世界の風力産業は過去数年に渡り低迷した。金利及び材料費の上昇に伴い、開発業者の利益が徐々に狭められた。さらに政治及び経済エリートのエネルギーモデル転換への冷淡な態度が加わり、タービンの新規設置台数が予想に届かなかった。同産業は現在回復中だが、これは中国のお陰だ。
世界風力会議がこのほど発表した報告書によると、2023年の世界の新規風力タービン設備容量が前年比50%増の117GWにのぼった。しかし中国の新規設備容量を除くと、世界のその他の地域の設備容量は2020年比で0.088GWしか増えておらず、大型洋上風力タービンが6基増えただけだ。この業界は本来、毎年数千基の大型洋上タービンの設置が必要だ。
欧米を見ると、サプライチェーンの能力への投資が長期的に不足し、政府の支援策が二転三転し、プロジェクトの実施が遅れるといった原因により、風力産業の参加者が規模拡大をためらっている。報告書は、米国の風力発電所のほぼすべての部品が、現地のサプライチェーンでネックに直面すると指摘。欧州でも同様の不足が今年と来年から広がり始める。
世界のエネルギー体制を再構築するためには投資が必要だ。破壊的な貿易戦争を発動するのではなく、中国、米国、欧州諸国を含む各国政府からの支持を歓迎する。気候温暖化防止の需要に基づく規模で製品を製造するならば、それは生産能力過剰ではなく世界が必要とする基本的な能力のレベルだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月23日