中国と欧州の電気自動車分野の貿易摩擦を受け、中国商務部の官僚は発言し、「トリプルシグナル」を発した。
シグナル1:保護主義は、中国と欧州の正しい付き合い方ではない。
中国商務部の王文濤部長はスペインのバルセロナで奇瑞エブロ合弁工場を視察した際、中国と欧州の間には競争があるが協力の方が大きく、良好な競争の中で協力を拡大し、共同利益を実現することこそが正しい付き合い方だと述べた。
王文濤氏は、欧州側が保護主義をやめ、対話協力という正しい道に戻ることを望んでいると話した。
中国の新エネルギー車の「生産能力過剰」は不正当な競争だと非難し、多くのEU企業とその他の産業の明確な反対を顧みず、中国から輸入した電気自動車に反補助金調査を実施し、欧州の中国企業の事務所に抜き打ち検査を行い、さらに企業の運営設備を差し押さえるなど、EUの近頃の一連の行動には保護主義が色濃く表れている。
中国国際経済交流センターのチーフエコノミストの陳文玲氏は中国新聞社の取材に対し以下のように述べた。中国の新エネルギー車は近年、EUで一時期入手困難になり、一部の国の伝統自動車産業は影響を受けた。EUは中国の新エネルギー商品が大量に進入し現地市場を占領するのを阻止し、自身の産業発展とモデル転換の時間稼ぎをしようとしている。しかし実際は、相手に足を引っ掛けても、自身の実力を高めることはできない。
シグナル2:貿易摩擦を処理するには、対抗するのではなく対話すべきである。
中国商務部の副部長兼国際貿易交渉副代表の淩激氏はギリシャのアテネでギリシャ中国企業座談会を主催した際、「中国側は欧州側と対話や話し合いを通して貿易摩擦を適切に処理し、双方に合理的に配慮し、双方の企業が貿易投資協力を行えるよう開放的で公平、予測可能な健全な市場環境を提供したい」と述べた。
中国商務部の何亜東報道官も先日、欧州側が各界に切実に配慮し、中国側と対話や話し合いを通して貿易摩擦を適切に処理することを望むと述べた。
多くのEU加盟国も貿易戦は適切な選択肢ではないと考えている。フランス経済・財務・産業およびデジタル主権省のル=メール大臣は、貿易戦は米国の利益にも、中国の利益にも、欧州の利益にも、世界のどの国の利益にも合わないため、いかなる形式の貿易戦も避ける必要があると言明した。ドイツ財務省のリントナー大臣も、貿易争いは負け組になるだけで、勝ち組になることはないとの見解を示した。
EUは中国の2番目に大きい貿易パートナーとなっている。中国社会科学院欧州研究所の馮仲平所長は、中国と欧州の産業チェーン、サプライチェーン、バリューチェーンは深く溶け合い、双方に貿易摩擦があっても恐ろしくはない。肝心なのは互いの意思を重視し、交渉を通して解決することだと考えている。
シグナル3:貿易摩擦が深刻化すれば、中国は対応できる十分な用意がある。
中国商務部は以前、EUの中国電気自動車に対する反補助金調査の進展に密接に注目すると示した。
凌激氏は、「欧州側が言動を一致させ、貿易摩擦を制御不能な事態に陥らせないことを望む。欧州側が独行し、引き続き中国企業を制圧した場合、中国側には措置を講じ、中国企業の合法利益を守り、中国と欧州の貿易関係の大局を適切に維持する権利と能力がある」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月4日