中国の浙江省を主産地とする果物であるヤマモモがこの夏、海外で人気になっている。
ヤマモモは美味だが保存が極めて困難だ。「1日目は新鮮、2日目は変色、3日目は味変」と呼ばれ、外部への販売が困難だった。今回海外で好評を博した理由は何だろうか。
(一)栽培業者が新技術を導入し、ヤマモモの鮮度保持期間を延ばした。長距離輸送による品質への影響を極力減らすため、果物農家はガス置換包装などの保存・輸送技術を持続的に改良し、ヤマモモの鮮度保持期間を最長30日弱まで延ばし、輸出の時間を稼いだ。
(二)地方の農業・農村などの部門が果物農家による栽培技術の向上を支援し、ヤマモモの質を高めている。寧波市余姚市は農業技術専門家を集め、グリーンで高品質で高効率で実用的な技術を普及させた。果物の優良率が大幅に上がり、ヤマモモの粒がさらに立ち、酸味と甘味が溶け合い美味になった。1ムー当たりの生産高が2000元以上増え、ヤマモモの海外輸出の「底力」が増した。
また販売業者はヤマモモのPRに頭を使った。ヤマモモの包装に中国風のイラストを印刷し、現地の美しい山河を取り入れた。あるケースにはヤマモモ関連のおまけが付き、「ヤマモモIP」を強化。ヤマモモを使ったお菓子や酒などの関連商品を開発し、ヤマモモ輸出の人気を「1シーズン限り」から「通年」にした。
ある果物農家は、ヤマモモは現地では特に珍しい果物ではなく、以前ならばこの夏になればどこにでもある果物を「大したことない」と感じていたと話した。ある果物農家は近年、海外を原産地とするより値が張る果物の栽培に変更したが、今年になって計算したところヤマモモを丁寧に高級に栽培するほうが利益になることが分かった。
ヤマモモは小さいが、その海外での人気の裏側にある経済の原理は味わい深い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年7月25日