調べによると、仮想発電所はエネルギーインターネット技術を利用することで、エンドユーザーに分散されている充電ポール、エアコン、分散型太陽光発電などの電力負荷資源を統合し、最適化制御を行う。これは「クラウド発電所」に相当する、「インターネット+電源・電力網・負荷・エネルギー貯蔵」一体化のデジタル化エネルギー管理システムだ。
深セン仮想発電所管理センターの責任者である欧鳴宇氏は、仮想発電所調節管理クラウドプラットフォームの建設の背景について、「電力システムは発電と電力消費量のバランスをリアルタイムで保つ必要がある。伝統的な電力システムでは電力網の安定運転を支えるため、電源を調節することで利用者の電力消費の需要を満たすことが多かった。電源の供給が不足する状況下では通常、需要への反応もしくは負荷の管理によってユーザーにピークをずらすか回避する電力消費を促す。新型エネルギー体制及び新型電力システムの構築の加速と、新エネ電力の大規模な接続は、電力バランス及び電力網の安全運転への挑戦となった」と述べた。
欧氏はさらに、「仮想発電所の中核は、地域を跨ぐ広域の資源統合・最適化・コントロールにある。需要側の資源を調節することで、新エネ発電の変動性に適応し、電力システムの相対的な安定性を支える。特に太陽光発電などの新エネは天気次第で、変動性・偶然性・間欠性が高い。電力網の高い割合を占めることで既存の電力システムの周波数に干渉し、電力システムの安全に影響が及ぶ」と続けた。
深セン仮想発電所管理センターは今年に入り31回正確に反応し、全市の電力消費のピーク、断面の過負荷、主変圧器の過負荷などの問題を効果的に解消した。深セン仮想発電所調節管理クラウドプラットフォームの合計接続資源容量は275万kW以上、調節可能容量は60万kW、接続資源設備総数は5万5000で、仮想発電所接続事業者は50社弱。
土地資源を使わず、送電ルートを新設する必要がない。これは仮想発電所の別の大きなメリットだ。200MW仮想発電所の建設を例とすると、毎年の標準石炭の消費量を4万700トン、CO2排出量を10万8000トン、二酸化硫黄排出量を3261トン減らすことができ、土地資源の価値を9−10億元節約できる。
調べによると、深センは2025年までに100万kW級の調節能力を持つ仮想発電所の完成を予定している。年間最大負荷の5%の安定的な調節能力を形成し、大規模調節が可能なユーザー資源のシステムの調節への自発的な参加を促す。温室効果ガス排出量を毎年約54万トン削減し、新エネ体系の建設とグリーンで低炭素な産業発展を力強く支える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年8月20日