国産コンピューターゲーム「黒神話：悟空」が20日にリリースされると、Steam（世界的なゲームプラットフォーム）の多くの記録を塗り替えた。ブルームバーグは当日、本作のリリースは「歴史」を作り、欧米企業の人気ゲームを打ち破り、Steamで人気ランキング2位のゲームになったと伝えた。本作の最近のリリースがゲームの産業チェーンだけでなく、ゲーム関連の衣食住などの企業の株価や時価総額の上昇をけん引していることに注意が必要だ。これは複数の産業チェーンに影響を及ぼす「黒神話効果」を生んだ。

「黒神話：悟空」に資金サポートをするテンセントの香港での株価はリリース日に安定を保ったが、浙版伝媒、中信出版、華誼兄弟などの本作の関連企業の株価がストップ高を迎えた。徳邦証券の陳笑アナリストは「環球時報」に、「本作の影響力はすでに、ゲーム産業チェーンから日用消費財へと業界を超えている。エヌビディア、ハイセンス、レノボ、滴滴青桔、瑞幸咖啡、京東などの10以上のブランドが本作とのコラボを発表している。A株のゲーム銘柄は21日も活況を保った。また本作の舞台である山西省などの文化・観光産業も資本から注目を集めている。これらの話題により、A株では『黒神話悟空概念株』が生まれた」と述べた。

「環球時報」の調べによると、本作のブームの影響を受け、天猫（Tmall）のデジタル家庭用ゲーム機の直近の1週間の取引量が80％以上増えた。「黒神話効果」は中古取引市場にも広まった。閑魚のデータによると、プラットフォームのゲーム機の検索件数が8月に入り300％以上も増えている。ゲームの人気はハード市場全体の活況をけん引し、「パソコンハード更新ブーム」を引き起こした。阿里や京東などのECプラットフォームでは、多くのパソコン部品販売業者がよりハイスペックなグラフィックカードなどを推薦し、自作ゲーミングPC、キーボード、マウス、ゲーミングイヤホンなどの販売が大幅に増えている。

ゲーム産業分析機関のNaavikは「黒神話：悟空」の正式リリース前に、「中国のゲームメーカーは近年、大型でハイエンドなゲームを積極的に開発してきた。テンセントと網易というツートップの他に、中国の小型メーカーもバリューチェーンに上がる意欲を強めている」と分析した。別の市場分析機関は、「中国は現在すでに世界最大のゲーム市場になっており、PC・モバイル・コンシューマーゲーム市場で力強い発展の勢いを保っている。市場規模は2022年の455億ドルから27年には570億ドル以上に拡大する」と予想した。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2024年8月22日