インドの電気自動車(EV)市場で60%以上のシェアを占めるタタ・モーターズは、初期モデルのバッテリー残量減などの性能問題を解消し供給源を多元化するため、中国メーカーからEV用バッテリーパックを調達する計画だ。タタはこれまで電気バスのみに中国製バッテリーを使用し、EV乗用車用バッテリーは自社子会社から供給していた。複数のインドメディアが伝えた。
この変化は、EV市場で挑戦(販売減や競争の激化など)に直面する中でのことだった。タタは競争力を備える価格でEVを販売し、買い手を増やそうとしている。インドの別の大手自動車メーカーであるMahindraも、BYD製のバッテリーセルを使用しているという。
EVは最近常に国際メディアの注目の的になっている。EVを始めとするグリーン産業はさらに、貿易摩擦の新たな舞台になっている。米国などの一部の国はいわゆる中国の「過剰生産能力」問題をでっちあげ、中国から輸入するEVに謂れもなく追加関税を導入し、さらにこれを受け中国のEVがインドなどの市場に「投げ売り」されていると喧伝している。
タタの最新の動きには、産業界のレベルで現在の世界のグリーン産業発展の実情と、中国・インド市場の協力の余地を示す重要な意義がある。
さらに重要なのは、世界のグリーン産業発展が政治利用のリスクに直面する中、タタが政治志向ではなく市場志向でコスト最適化を選択したことだ。これは国際協力のグリーン産業発展への重要性を再び浮き彫りにした。価格など各方面の要因により、インドの現在のEV販売台数は予想に及んでいない。市場の手段でコストパフォーマンスや競争力などの問題を解消しなければ、長期的な発展の可能性はない。まさにそのため、すでに成熟した中国のEV産業チェーン・サプライチェーンとの一定の協力関係の構築こそが、インドがEV業界の発展を急ぐための理性的な選択肢となった。
インドだけでなく、グローバルサウスの多くの国(東南アジア、中東、アフリカ、ラテンアメリカなどの諸国)が脱炭素政策を続々と掲げ、EVへの投資拡大を検討している。中国の高コストパフォーマンスのグリーン製造及び技術サポートは、各国に現代化に取り組む勇気と力を与えた。ラテンアメリカやアフリカの街頭を席巻する電気バス、中東の砂漠の奥深くにある太陽光発電施設、中央アジア最大の風力発電プロジェクト、さらにはメコン川の水力発電所など、中国は世界のグリーンな発展の協力にしっかり足跡を残している。これは各国のエネルギーモデル転換のビジョンや民生発展の目標と合致し、世界の持続可能な未来へのモデル転換のペースを上げている。
強調しておく必要があるが、EV革命の到来にせよ日増しに深刻化する気候の危機にせよ、世界が必要としているのはグリーンな壁ではなく協力で、共にグリーンなモデル転換を実現することだ。グローバルサウスが協力によりウィンウィンを実現し、飛躍的な発展を遂げる余地は大きい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年9月2日