中国乗用車市場情報連席会が発表したデータによると、9月の電気自動車(EV)市場販売台数は112万台で、EVの市場シェアが52.8%にのぼった。ドイツの同期のEV市場シェアは23.7%のみ。EVの売れ行きが中国でこれほど好調な理由とは何か。独紙「ミュンヘナー・メルクーア」が伝えた。
割安な価格。多くの中国の購入者にとって最も重要な理由は価格だろう。メーカーも数カ月に渡り価格競争を行っている。ガソリン車からEVに買い替えるならば政府から補助金も出る。
安い電気代。中国は電力も安く、400キロの走行にかかる充電費は3−5ユーロ。ドイツの電気代は中国の約8倍。
整ったインフラ。中国EV充電インフラ促進連盟の最新データによると、今年7月末時点の中国の充電ポール数は1060万4000本。ドイツ連邦ネットワーク庁によると、今年9月1日時点のドイツの公共充電ポイントは約14万6000カ所。
消費者心理。ドイツ人は自動車を愛するが、EVに興味を持つ人は少ない。中国人は開放的で、EV購入者の平均年齢は34歳(EUは56歳)。
また中国のEVメーカーはドイツの競合他社よりも優れている。
高品質。中国の購入者は地場ブランドの価格だけでなく、車に搭載されている技術も重視する。これは大型ディスプレイとスマートフォンなどのその他のデバイスのパーフェクトな接続のことだ。中国製EVは安全性でも非常に信頼できるとされている。独自動車メーカーのガソリン車の技術力はEVにとってもはや重要ではなくなった。特に中国メーカーはドイツの競合他社よりもスムーズに新モデルを開発し、市場で販売できる。
戦略計画。中国は直接的な補助によりEV産業の発展を促すだけでなく、バッテリー製造に必要な原材料を早めに確保し、それに応じた産業を構築した。中国企業は現在、世界のバッテリーサプライチェーンを主導している。独自動車メーカーのバッテリーは輸入に依存することが多い。
激しい競争。中国市場には数十社のメーカーがあるが、その多くが海外で知られていない。フォルクスワーゲン(中国)前CTOはこのほど、「すべてのEVメーカーが生存できるわけではないが、生き残ったメーカーは極めて有利なコスト構造を手にする」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年10月24日