中国税関総署が7日発表したデータによると、中国の10月の輸出額は前年同月比12.7%増で、過去2年で最大の月間増加率となった。AP通信が伝えた。
このデータが発表された前日、トランプ氏が米大統領選で勝利を収めた。トランプ氏は中国からの輸入関税を60%に引き上げると発言しており、中国の対米輸出の不確実性を高めた。中国の貿易データを見ると、10月の輸入額は同2.3%減で、10月の貿易黒字は前月の817億ドルから957億ドルに増えた。中国の輸出データはアナリストが予測していた5.5%前後の増加率を大きく上回り、9月の2.4%も上回った。2022年7月以降で最大の増加率となった。
中国の10月の輸出増は、海外市場の中国製品への需要が持続的に拡大していることの現れだ。税関のデータによると、中国の対露輸出額は同約27%増で、11カ月ぶりの高い増加率となった。対米輸出額は同8%増、対EU輸出額は同13%弱増、対ASEANは同16%増。ASEANは中国の当該地域における最大の貿易パートナーだ。
経済学者は、トランプ氏の関税引き上げによる影響は来年に顕在化すると見ている。英投資研究機関Capital Economicsの黄子春(音訳)アナリストは、「トランプ氏の関税引き上げは輸出業界に損害をもたらすが、その影響は多くの人が懸念するほど深刻ではない。当社は輸出が約3%減少し、かつ来年下半期になりようやく実感できるようになると見ている。またトランプ氏の復帰は短期間内に中国の輸出を刺激するだろう。米国の輸入業者が関税調整前に調達量を増やそうとするからだ」と述べた。
中国は今週、最高立法機関会議で景気刺激策の詳細な内容を発表する可能性がある。中国はコロナ後、経済発展の加速に取り組んできた。米国と欧州は最近、中国製電気自動車(EV)及びその他の製品への関税を引き上げ、中国の貿易の挑戦となっている。
中国の政策決定者はすでに景気刺激の一連の措置を発表している。来年の予算から2000億元を拠出し、支出と建設費に充てる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年11月8日