世界最大の2つのエコノミーである中米の経済は高度に相互依存している。グローバル経済の「安定的な低成長期」を背景とし、中米経済貿易関係の安定及び発展の維持は双方の利益になり、世界経済の繁栄にも有利だ。
中米の経済は相互補完性が高い。米国経済はサービス業を中心とし、2020年のサービス業の対GDP比は81.5%だった。中国を見ると、製造業が経済構造の重要な地位を占めており、23年の工業付加価値額の対GDP比は31.7%で、製造業付加価値額は世界の約30%を占めた。また中国のサービス業も成長中で、23年の対GDP比は54.6%。
中米貿易もこの相互補完性を反映している。統計によると、24年の中米貿易額は前年比3.7%増の6882億8000万ドル。中国の対米輸出は軽工業や機械設備などに集中し、中国の対米輸入は農産物や集積回路などに集中している。両国は資源配置の最適化を実現した。
中国の経済成長は一部の先進国の立ち遅れた生産能力に圧力をもたらすが、中米経済の相互補完性は依然として主導的地位を占めている。中米経済構造の調整及び高度化に不可欠なのは協力だ。米国のテック企業と中国製造業の協力は大きな協力のスペースを生み、双方の産業発展を促進しコストを削減する。
市場の共同開発及び第3国市場でも、中米は高い潜在力を秘めている。中国の巨大な市場は米国のハイエンドサービス業にとっても重要なチャンスであり、サービス業の協力は大きな利益をもたらす。米国側が「経済安全」という観念と、経済貿易関係の「政治化」という間違いを捨てることができれば、中米経済の相互補完と協力は世界経済により良い未来をもたらすだろう。(筆者=王勇・北京大学国際関係学院教授、北京大学米国研究センター主任)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年1月14日