2025年の「農村改革のさらなる深化、農村全面振興の着実な推進に関する中共中央と国務院の意見」と題した中央1号文書が23日、発表された。「農業の新たな質の生産力の発展」が今年の中央1号文書で初めて取り上げられた。
文書は、科学技術イノベーションで先進生産要素の集約を導き、現地に適した形で農業の新たな質の生産力を発展させるとした。これは現在の「3農」(農業・農村・農民)活動に取り組むための重要な措置であり、中国が農業大国から農業強国に向かうため避けては通れない道でもある。
・農業の新たな質の生産力の発展、科学技術で先陣を切る
中国の食糧生産量は昨年初めて7億トンを突破し、農業の総合的な生産力が持続的に上がった。そのうち、単収の増加の増産への寄与度は8割にのぼったが、科学技術の功労を見落とせない。南京農業大学の朱晶教授は、「高い数値を基礎としながら安定生産と増産を続けるためには、単収の増加に力を入れるべきだ。地域や作物に応じて優良品種、優れた技術、優れた機械を融合させ、技術導入率を高め、食糧の大面積増産をけん引するべきだ」と述べた。
スマート化大型ハウスで育苗し、植物保護ドローンで肥料を撒き、科学技術特派員が農村に駐留する。春耕の季節、科学技術が希望あふれる畑の風景を広げる。
優良品種、優れた機械、優れた技術など、今年の中央1号文書は「基幹・中核技術のブレイクスルーの加速に焦点を絞る」「種業振興行動の実施を掘り下げる」「一連のブレイクスルー品種の難関攻略を加速する」「国産先進適用農機・設備などの研究開発及び応用を加速する」「スマート農業の発展を支援し、人工知能、データ、低空などの技術応用シーンを広げる」とした。これらの具体的な内容は、農業の新たな質の生産力の発展の突破口を見つけ、問題解消の必要性を浮き彫りにした。
・農業の新たな質の生産力、基礎は「グリーン」
節水農業、「旱作農業」、食糧機械収穫ロス減少、適度な加工及び科学的な保管などの科学技術の発展は、農業の集約・節約的利用の新たな歩みを促す。農業用地土壌重金属汚染源の特定及び対策を強化し、根本から食品安全及び農産物の品質安全を強化し、よりグリーンで健康的な食品をもたらす。
・農業の新たな質の生産力、経済効果が必要に
産業振興は農村振興において最も重要だ。各地の農村は近年、特色産業が各自の強みを見せている。水路が縦横に広がる湖南省漢寿県では、生態化スッポン養殖が多くの収益をもたらす。暖かく湿度が高い浙江省黄岩区では、ミカンの経済的付加価値が上がっている。光・熱・水資源が豊富な河南省項城市では、ゴマ産業チェーンが拡大し、農家の増収を支えている。これらの例からは、現地に適した形で農業の新たな質の生産力を発展させる重要性が見えてくる。
今年の中央1号文書は、「農産物加工業のモデル転換及び高度化を推進」「特色農業産業クラスタを構築」とした。それと同時に「連農帯農」メカニズムを改善し、より多くの農民に産業付加価値収益を届ける。農村の文化と観光の深い融合を促し、文化産業による農村振興へのエンパワーメントの試行に取り組み、アグリツーリズムの特色化・精品化・規範化水準を高める。
農業の新たな質の生産力の発展は、農村のより多くの新産業と新業態を育成し、歴史ある農耕文明、清く美しい田園風景、農業・農村の現代化を融合させる。より多くの人の観光及びレジャーの需要を支え、和やかで美しい農村の新たな経済効果を生み出す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年2月24日
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