「大西洋を跨ぐ関係に不可逆的な損害が生じたとの懸念から、EUは世界各国との貿易協定の締結を急ぎ、米国への依存を減らそうとしている」ブルームバーグの11日の報道によると、EUのシェフチョビッチ通商担当委員は現地時間14日にワシントンを訪れ、価値にして3800億ユーロのEU製品への関税を引き下げるようトランプ米大統領を説得する予定だ。消息筋によると、EUは交渉と同時にその他の地域との自由貿易協定の締結を急いでいる。これはEU当局者が、EUと米国の関係は永遠に過去に戻れないと判断しているためだ。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日、EUはさらにアジアにシフトすると表明した。
フォンデアライエン氏はこのほど、英紙「フィナンシャル・タイムズ」の独占インタビューで、「米政府との関税問題の交渉で解決策が出なければ、大西洋を跨ぐ貿易戦争をサービス分野まで拡大し、デジタル広告収入に課税する可能性がある」と述べた。この措置はグーグルやフェイスブックなどの米IT大手に直接影響を及ぼすことになる。
フォンデアライエン氏は、「EUは米国との関税問題について、双方が受け入れられる合意を希望している。合意に至らず、中国とEUが世界市場の開放維持で共通点を見つけられれば、欧州はトランプ政権下の米国への依存を弱めることに専念できる」と述べた。
ブルームバーグによると、フォンデアライエン氏は10日、「EUはさらにアジアにシフトし、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)加盟国との協力強化を模索する」と述べた。
商務部の王文濤部長は8日、シェフチョビッチ氏とテレビ会議を開いた。双方は早急に交渉を開始し、市場参入関連の問題について議論を掘り下げ、企業に向けより有利なビジネス環境を構築することで合意した。また電気自動車(EV)価格をめぐる交渉を直ちに開始し、中国・EU自動車産業投資協力の問題について議論するとした。Belga News Agencyは、「コスタ欧州理事会議長の報道官は11日、次の中国・EU首脳会議に向け日程を調整中で、7月開催の見込みと述べた」と伝えた。
シンガポール誌「思想中国」は、「トランプ関税によりEUと中国がさらに歩み寄っている。欧州と中国はいずれも強いエコノミーで、その接触再開はその他の参加者を招き、世界の旺盛な需要を保つことで壊滅的な景気後退を防ぐ可能性がある。ASEAN、英語圏(英国、カナダ、豪州、NZ)、インド、日本、韓国もそこから利益を得ることは間違いない」と伝えた。
米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、「今回のシフトに苦しみがまったくないことはないが、フォンデアライエン氏とその同僚がよく指摘しているように、米国の消費市場は大規模だが万能ではない。欧州の基本戦略は明確だ。彼らは米国との合意を促しているが、世界が転換期を迎えていることも認識しており、この局面を利用し成功を収めようとしている。変化しないという選択肢はない」と伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年4月14日
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