寧海はヒットIPを中国要素と結びつけ、文房具を単なる道具ではなく文化の担い手にしている。
寧波優和文房具のサンプル室に入ると、「国風の宝庫」に迷い込んだような感覚に襲われる。愛らしいパンダが流行語と結合するカードホルダーがあり、メガネをかけた刀馬旦(京劇の女性役)は伝統と流行のギャップが愛らしい。「但愿人長久(いつまでも健やかにあれ)」の詩まで載せられ、小さなカードホルダーがたちまち詩的になる。優和の責任者の蔣新連氏は、「これらの国風シリーズは海外で大人気」と話した。カードホルダーの国家業界標準のモデル企業である同社は「一帯一路」の追い風に乗り、これらの文化的な温もりのある製品をアメリカ、ヨーロッパ、ブラジルに輸出している。売っているのは文房具だが、伝えているのは中国の物語だ。
IPコラボは、寧海の文房具が市場を開拓する「秘訣」となっている。寧波天虹文房具は提携ライセンスを取得した後、自主ブランド「天文」の下で「ドラえもん」「ウルトラマン」「奶龍」などのIPコラボの電動文房具セットを相次いで発売。さらに「中国航天太空創想」と提携して「智能文房具宇宙ステーション」シリーズを作り出した。この2つのシリーズだけで1億元以上の売上をもたらした。天文ブランド運営の管敏賢総経理は、「文化・クリエイティブIPの道を切り開いたことで、売上はうなぎのぼりだ」と話した。
寧海の文房具産業の将来性は、もはや国内市場にとどまらない。その販売版図は現在「七三分け」(海外輸出7割、国内販売3割)の構造を示している。その製品は140以上の国と地域に確固たる足場を築いている。
この国際的な成果の背景には、「中国製造」のハードパワーの支えがあると同時に、柔軟な市場戦略も欠かせない。天虹公司は2021年に「Tihoo」ブランドをAmazonで販売開始し、翌年には800万元以上の売上を達成。得力公司はさらに世界に10以上の地域本部、50以上の海外支社を設立し、ベトナム、インドネシア、アラブ首長国連邦などでトップブランドの地位を確立している。
「集団海外進出」により、寧海の文房具はより確かな力を得ている。寧海県文教体育用品協会は2023年に17社を集め、日本・東京開催の国際文具・紙製品展に出展した。寧波興偉刀具の尤忠光総経理は一度に20以上のバイヤーと商談し、「当社の製品の85%は輸出で、欧米からの注文が7割を占める。メイド・イン・チャイナは現在、日韓で特に人気があり、新規顧客が絶えない」と話した。
G20サミットから「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラムまで、寧海の文房具は頻繁に登場し、「中国製造」の歩く看板となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年9月2日
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