自民党総裁および首相就任後、高市早苗氏の経済政策が注目を集めている。一部のメディアはこれを「サナエノミクス」と称している。「環球時報」が伝えた。
現在の日本経済の特徴は物価高と円安であり、10年前のデフレと円高の状況とは全く逆の状況だ。日本国内の商品価格、特に食品価格は上昇を続けている。政府が「総合経済対策」を閣議決定した日、総務省が物価上昇加速の関連状況を発表した。それによると、今年10月の日本のコアCPI(消費者物価指数)は前年同期比で3.0%上昇し、物価上昇率が上がり続けている。中でも、米や鶏卵などの価格が続騰。その一方で、日本の実質賃金は28カ月連続で減少している。
物価が上昇する一方でドル円相場の下落が続き、一時1ドル=157.9円と10カ月ぶりの円安となった。高市氏の首相就任後にドル円相場が6%超下落し、日本政府が有効な対策を打ち出しておらず、市場の先行きへの見通しが悪化を続けていることに注意が必要だ。株式市場では、日経平均株価が最高値の5万円(10月27日)から4万8000円(11月21日)に下落。国債市場では、日本国債(長期)の利回りは11月20日に1.83%を突破し、取引価格は17年前の水準まで下がった。
高市内閣が打ち出した「積極的財政政策」が、実質金利の低下や円安などの要因と共同作用し、日本の物価水準をさらに押し上げることは必然的だ。日本政府は物価上昇を経済発展の最優先課題とするのではなく、補正予算の3分の1も占める「危機管理投資」を熱心に推進している。株価、円相場、国債という日本の3大重要経済指標が同時に下落している事実は、日本に大胆な財政政策と金融緩和策を打つ余地がほとんどないことを示している。劇的な経済政策を通じて供給能力を刺激・拡大し、需要過剰状態を作り出しこれを維持することで経済をけん引しようとする高市内閣の考えは、すでに時宜に合わないものとなっている。サナエノミクスの本質は依然として、借金を返済するため借金を繰り返すだけであり、日本経済の持続可能な発展には資さない。
高市氏が時代遅れのサナエノミクスを強行し、政治、外交、安全保障分野で日本経済に不利なシグナルを発し続ければ、財政と社会・経済面の圧力がいっそう強まり、日本経済が真に持続可能な発展の軌道に戻ることも不可能となる。(作者=上海外国語大学日本文化経済学院副教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年11月28日
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