世界銀行は11日、最新の中国経済レポートを発表した。中国の2025年経済成長率予測を前回のレポートから0.4ポイント上方修正した。これまで多くの国際機関や有名な金融機関が同予測を引き上げているが、その原因は次のように分析されている。
(一)より積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策が正確に連携し、経済回復に安定的な原動力を注入した。これは国際機関や金融機関が中国経済成長率予測を引き上げた主な根拠だ。
超長期特別国債の発行は、重要プロジェクトや重大事業に安定的な資金を提供した。特別債券の投資先も、従来のインフラから新インフラや保障性賃貸住宅(若者や低所得者など住宅購入や賃貸が難しい市民に対し、条件付きで家賃が安価な賃貸住宅を提供する制度)などの分野へと持続的に広がり、重要分野の弱点補強と同時に産業チェーン川上・川下の需要をけん引した。また、設備更新と消費財買い替え促進政策が正確に効果を発揮し、産業分野におけるハイエンド装備の高度化から消費面での自動車や家電の買い替えに至る消費の潜在力がさらに引き出された。
金融政策面では、年内の利下げと預金準備率引き下げが柔軟かつ効果的に実施され、市場の流動性を安定的に放出し、企業の調達コストを効果的に引き下げた。構造的金融政策ツールが次々と打ち出され、小規模企業、グリーン発展、科学技術革新などの重点分野を支援。これについて、世銀はレポートの中で「中国政府のより積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策が国内の消費と投資を支えている」と明確に指摘した。
(二)輸出構造の高度化と国内市場の潜在力の放出が相互補完し、外部の変動に耐えながら成長基盤を強化した。11月の輸出は前年比でプラスに転じ、大幅に回復。世界貿易の成長が鈍化する中で逆風を乗り越えた形だが、これは2つのブレイクスルーによるものだ。1つ目は、貿易の多元的発展だ。中国は近年、ASEANや「一帯一路」共同建設国との貿易が持続的に増加している。2つ目は、商品構成の高度化だ。中間財や資本財の輸出割合がさらに拡大し、電機製品や新エネルギー車などのハイテク・高付加価値製品が輸出の新たな成長源となり、中国の世界産業チェーンにおける中核的地位を固めた。
内需市場の着実な回復が経済成長に堅実な支えを提供した。14億人以上の巨大な市場は、中国経済が誇る独自の強みと言えるだろう。サービス消費の支出意欲が持続的に高まり、観光、文化、健康などの消費業態が力強く発展している。消費財買い替え促進などの政策が奏効を続け、末端の消費需要をさらに引き出し、消費の経済成長に対する寄与度が着実に向上した。
(三)科学技術の突破と産業の高度化が成長の新たなエンジンとなり、国際機関に中国経済の長期的な成長の潜在力を示した。新産業や新業態の急速な台頭は、中国経済の質の高い発展の新たな展望を描き出した。中国は世界2位の研究開発投資国、1位の特許出願国だ。中国の「ライトハウス」工場数は世界の40%以上を占めトップで、スマート製造の水準で世界をリード。新エネルギー、新素材、新たな情報技術などの新興産業がトップレベルに達し、国内経済のモデル転換および高度化をけん引し、世界のデジタル化・グリーン化発展を後押ししている。これらの新たな成長源は中国経済の産業構造を再構築している。
当然ながら、中国経済が依然としていくつかの短期的な課題に直面していることをはっきり認識する必要がある。しかし国際機関が相次いで中国経済成長率予測を引き上げたことは、これらの課題が中国経済の安定しつつ前進という大きな流れを変えていないことを証明しており、中国の問題解決の能力と決意を浮き彫りにしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年12月16日
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