トランプ米大統領は先日、「ホテルを経営していた時に、価格などの理由から中国製品を買わざるを得ないことがよくあった」と述べた。
購入する理由
トランプ・グループはかつて複数の国際的なホテルを所有し、現在もニューヨーク、シカゴ、ラスベガスなどでトランプ・インターナショナル・ホテルを経営している。中高級ホテルは開業から経営までに、家具、照明器具、布製品、衛生設備、タイル、食器、清掃用品、各種機械・電気部品など、数万点にも及ぶ標準化された製品を必要とする。開発業者は製品を選ぶ際に、価格・品質・納期という3つの要素を重視することが多い。
補助金や政策的な制約がない場合、企業は決められた予算内でブランド基準に合う製品を調達する。その条件下では、中国製品の購入が最も手っ取り早い選択肢だ。欧米で設計や高級カスタムを行い、中国で大量の標準部品や重要部品を調達し、プロジェクト所在地で最終的に組み立てる。これは西側の主要な多国籍ホテルグループにとって一般的なやり方だ。
実際、これはより普遍的な法則を示している。すなわち、グローバルなサプライチェーンは、企業がコストと効率の最適な組み合わせを選ぶことで形成されているということだ。行政的な手段で無理やりそれを断ち切れば、効率が落ち、コストが上昇するだけだ。
何を購入するのか
例を挙げると、米国のホテルは広東省中山市から客室で使う照明や外装部品を調達し、浙江省寧波市周辺から衛生設備の金具やステンレス製品を購入し、広東省潮州市から日用陶磁器や食器を仕入れるだろう。
これらの地域から調達するのは、産業クラスターが成熟しており、同一地域内で設計・試作、量産、集荷・出荷までの全工程を完結できるためで、コミュニケーションコストや時間的コストが大幅に下がる。多くの欧米ブランドの加工工程も、この効率的な製造体系と密接に結びついている。
中高級ホテルでは、エレベーター、空調設備、照明制御などの機器が欧米の多国籍企業の製品であったとしても、モーター、コントローラー、配線ハーネス、構造部品などの重要部品は中国で大量生産されていることが少なくない。
これらの製品は中国でしか作れないわけではない。しかし、コスト管理と納期の信頼性という条件を満たそうとすると、最適解が中国製品になる場合が多い。
ある米国のブロガーが昨年、ニューヨークのトランプ・タワーにあるトランプ氏の選挙グッズショップを訪れたところ、そこで売られている商品の大半が中国製であることに気づいた。ネット上では「これはトランプ政権が掲げる『米国製造業の復興』という主張と合わないのではないか」との声も上がった。
企業の選択基準
米国政府は近年、貿易赤字の縮小や製造業の国内回帰を理由に、中国を含む貿易相手国に関税を課してきた。しかし米国市場は依然として既存のグローバル・サプライチェーンを必要としている。代替先を探すと、コストが高すぎるか、あるいは関連産業の整備が不十分な場合が多く、結果として米国の輸入業者や消費者の負担が増えるだけになりがちだ。
トランプ氏の「買わざるを得なかった」という回顧は、むしろ素朴なビジネスの原則を語ったものと言えるだろう。グローバルな分業ネットワークの中では、より低コストでより高効率に安定供給できる企業や地域が調達リストに入る。ホテル経営者にとって、それはごく自然な選択だ。
中国の輸出構造も近年、変化している。従来の受託生産からブランドの海外展開へ、低付加価値製品からスマート設備へと移行している。この変化は長年の技術の蓄積とイノベーションの結果だ。将来的には、米国のホテルが中国製の配膳ロボットやスマートカーテンを購入する可能性もあるだろう。それも、中国がコストパフォーマンスが最も優れた製品を提供できるからだ。
市場は合理的なリソース配分を好み、分業によって効率を高める。これは保護主義的な政策によって変わることはない。グローバル化とは抽象的なスローガンではなく、一つ一つの照明、椅子、金物部品に分散されたコストと効率の積み重ねなのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年5月7日
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