国産高速列車CRH(中国高速鉄道)の実用化第一便が28日午前7時15分、浙江省の杭州駅を出発し、上海市の上海南駅に向かった。これにより、国産高速列車が「春節」(旧正月)前後の鉄道の特別運行体制「春運」に初めて導入された。またこれを起点として、中国の鉄道は全面的に新たな高速化時代に突入することになる。
春運期間中、国産高速列車は最高時速が160キロほどに制限される。今年4月18日に予定される鉄道第6次高速化の後は、新しい時刻表に基づいて運行し、最高時速は200~250キロに達する見込み。
上海南駅に停止していた杭州行きの国産高速列車「N521号」の客車は、各車に動力を備えたタイプ。一般の動力のない客車と異なり、床がプラットホームとほぼ同じ高さで、乗客は乗り降りが大変しやすい。車内は清潔で装備も整い、乗客からは「これが列車?飛行機みたい!」と感嘆の声が挙がる。
国産高速列車の客車には1等軟座(ソフトシート)と2等軟座との2つのグレードがある。うち1等軟座は1列4座席、1車両の座席数は52席。2等軟座は1列5座席、1車両の座席数は104席。
一般の列車と異なり、国産高速列車の車両はとても広く、座席も柔らかい。飛行機のように、各座席の背面に灰色の簡易テーブルが設置されており、ボタンを回して手前に倒せば使えるようになっている。
国産高速列車の座席はすべて、座席下のレバーを踏むと180度回転する仕組みになっている。前後の座席に座る仲間同士が、前の座席を後ろに回転させて対面式にし、顔を見合わせておしゃべりを楽しむことが可能だ。
国産高速列車には最先端の車内設備が備わっている。偶数車両に飲料水タンクが設置され、手荷物は座席上の荷物棚に、大きな荷物は車両の連結部にある大型荷物置き場に置けるようになっている。飲食コーナーが2カ所あり、さまざまなサービスが提供される。
国産高速列車は動き出しても、これまでの列車のようにガタゴトと音を立てない。乗客はプラットホームで人々が手を振るのを見て、初めて出発したのに気がつくほどだ。
「人民網日本語版」2007年1月29日