中日国交正常化35周年を記念するために、NHKで放映されているドラマ「北京バイオリン」(中国語テーマ「和你在一起」)は、父子の間の深い愛情が多くの日本の視聴者の心をつかんでいる。
ある30歳の女性は、「人情味があって、毎回感動しています。登場人物たちは、みんないろいろな複雑な問題を抱えているが、激しく変革を遂げる大都市北京でたくましく生きていこうという姿に、共鳴を感じます」と語っている。
中国ドラマの放映は、日本の「中国語ブーム」にもさらに油を注ぐことになった。日本朝日中国文化学院の夏休み中国語コースとNHKテレビの中国語会話講座では、しばしば「北京バイオリン」のシーンを取り入れられている。
中国文化の日本での紹介に力を入れている日中通信社の張一帆社長は、「中国文化には深みがあり、日本文明のルーツとも言えるので、日本の人々は中国の映画・ドラマを受け入れやすいではないか」と語っている。
「チャイナネット」2007年7月27日
関連報道
映画「和你在一起」
北京ヴァイオリン
監督 陳凱歌 2002年作品 117分
2002年サン・セバスチャン国際映画祭
最優秀監督賞 最優秀主演男優賞受賞
◆あらすじ
息子のヴァイオリンの才能を信じるリウは息子チュンを連れて北京に出てくる。最初に師事したチアン先生は才能はありながらも運に恵まれず、人生も音楽も諦め、世捨て人のような暮らしをしている変人だったが、チュンに教えるうちに生きる希望を取り戻していく。しかし、ソリストとして成功するには、音楽界に力のある教授につくことが大切と知ったリウはチアン先生を断り、音楽学院のユイ教授にチュンを託す。
一方、北京で偶然知り合った高級娼婦のリリに少年らしい思慕を寄せると同時に母親の面影を求めるチュンは、チアン先生を勝手に断った父への反発から自分のヴァイオリンを売って、リリに毛皮のコートを買ってしまう。国際コンクール出場者を決める当日、自分がいてはチュンの将来の邪魔になると考え北京を離れるリウ。ユイ教授に出生の秘密を聞かされたチュンは、コンクールを棄権して北京駅に父を追いかけ、駅頭で父とリリとチアン先生にチャイコフスキーを演奏して聴かせるのだった。