月探査衛星「嫦娥一号」のシステム総指揮官兼総設計師を務める葉培建氏は29日、「嫦娥一号」が1年の運行期間に直面する3つの課題について語った。「中国航天網」が伝えた。
葉氏によると、「嫦娥1号」に積まれた8つの設備は28日までに全て起動し、現在正常に稼動しているという。各設備は今後1年間、飛行の軌道や場所に応じて交互に起動していくが、今後3つの課題が予測される。
第1に、設備本体が1年間維持できるかどうか。人工衛星は、複雑な宇宙環境や低温度にさらされながら、探査機などの実験観測機器や他の各設備に電力を供給し、常に指向性アンテナで地球の方向を探知しなければならない。
第2に、人工衛星の運行期間に2回の月食が起こる。1回目は、来年の元宵節(旧暦1月15日)に当たる2月21日に5時間半、太陽が隠れるため太陽エネルギーの供給が確保できなくなる。衛星は127分ごとのエネルギー供給が必要な設計となっているため、月食の間は軌道を変更して必要最低限の機器に電力を使うことで、この問題を乗り切る計算だ。来年8月にも月食が起こり、同様の課題が突きつけられる。
第3に、太陽と地球と人工衛星の運行ルートの関係上、衛星の太陽電池パネルを時々太陽光にうまく合わせられない。多くの設備を作動して飛行方向を3カ月に1度変更し、衛星の角度を調整することでエネルギーを補給しなければならない。
「人民網日本語版」2007年11月30日
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