「長寿の最も大きな要因は遺伝子」という長期にわたって信じられてきた仮説に、有力な反証となる研究報告が出された。今回、長寿の科学研究専門家のまとめた研究で、長寿の原因に占める遺伝の要素はわずか15%、残る85%は後天的な環境によるもので、努力によって改善の余地があることが明らかになった。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
長寿研究を25年にわたって続けてきた広西チワン族自治区巴馬長寿研究所の陳進超所長によると、遺伝は長寿とある程度の関係を持っている。長寿の人の家系を遡ると、多くの場合、長寿の祖先を見つけることができる。巴馬県にも、遺伝的に長寿を多く生むとみられる家庭が存在する。けれども、長寿の原因は遺伝子だけではない。人々の健康にとってより重要なのは、生まれてからいかなる生活を送るかということだ。
巴馬県は国際自然医学会によって5番目の「世界長寿の郷」と認められている。第5回全国国勢調査では、巴馬県には80歳から99歳までの高齢者が3160人、100歳以上が74人、最高齢は116歳で、人口1万人に占める100歳以上の高齢者の割合は3.1人に達することがわかった。
陳所長によると、巴馬の長寿は、遺伝というよりもむしろ、地理・気候・環境などの条件と密接な関係がある。とりわけ、調和の取れた社会環境と良好な生活スタイル、合理的な飲食習慣は、この地域の人々が長寿である大きな要因とみられる。
調査では、巴馬県の長寿の人々には、飲食習慣において「四低一高」という共通点が見られた。塩・糖・脂肪・動物性蛋白質が低く、食物繊維の含有率が高い食生活を指す。また巴馬県の人々は自分の食べる野菜や穀物を自分で育てているため、食品に農薬などの汚染の心配がない。トウモロコシ・コメなどの主食を野菜やサツマイモと一緒に食べ、肉は少量しか取らないというのがこの地域の一般的な食生活となっている。
「人民網日本語版」2007年12月5日
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