中国はこのほど、完全に独自の知的財産権を持つ人工内耳を上海で発表し、オーストラリア、米国、オーストリアなど数カ国による技術独占状況を一挙に打破した。価格は輸入品の半額以下となる見込み。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
中国には現在2000万人以上の聴覚・言語障害者がいる。うち重度の聴覚障害者は約800万人で、毎年3万人前後の先天性聴覚障害児が出生している。
重度および極めて重度の聴覚障害の聴覚回復において、人工内耳は現在世界的に認められている唯一の効果的な技術。人工内耳は内耳内に長期間埋め込むことができ、音声と電気信号の変換装置によって、蝸牛殻内の失われた有毛細胞の機能を代替し、聴神経を直接刺激することで、大脳に再び聴覚を生じさせる。だが、聴覚障害者に福音をもたらすこのハイテク製品は、これまで3~4カ国による独占状況が続いてきた。
中国科学院の院士でもある復旦大学附属眼耳鼻咽喉科病院の王正敏教授らは、10年近くの研究を経て、独自の革新技術と特許を持つ中国初の「多重チャンネルプログラム型人工内耳」を開発、各種の指標で世界の先端レベルに達した。3年近くの努力を経て、同技術は安定性と量産面の難関を突破。すでに量産準備が整っており、当面は年間2000セットを生産できる見込みだ。
「人民網日本語版」2008年1月14日
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