第18回世界翻訳大会がこのほど上海国際コンベンションセンターで閉幕した。中国翻訳業の今後の発展を見据え、中国での「翻訳オリンピック」開催実現の立役者となった、国際翻訳家連盟理事会(FIT)の新執行メンバーに再任した同連盟副主席・黄友義氏(中国外文局副局長、中国翻訳協会副会長)は、自信満々である一方、憂慮の意も隠せない。同氏は、「品質面でいえば、中国の翻訳教育はまず『中国語→英語』翻訳人材に不足している。中国の真の『中英翻訳家』が百人にも満たないことから、文化面での『貿易赤字』が生じている」と指摘した。「東方早報」が伝えた。
黄氏は、翻訳の発展レベルと国家・都市の発展レベルは相関関係があり、中国経済が良好な発展すう勢を維持していることから、翻訳業の発展も必然的なものだという見方を示す。同氏はまた、「木を育てるのに十年、人を育てるのに百年かかる。翻訳の高等教育レベルを高めることによってはじめて、今後の翻訳人材ニーズに対応することが可能となる。さもなければ、中国のハイレベル翻訳人材は10万人不足することになる」と主張した。
中国の大学学部で翻訳科を設置しているのは、今のところわずか17大学で、翻訳科修士コースはまだ試行段階にあり、数量面での不足が続いている。
「人民網日本語版」 2008年08月11日 |