▽新しい課題を提示した「90年代生まれ」
「90年代生まれ」が大学に入学し、大学に対する新しい課題もそれと同時に提示された。多くの教育関係者は口々に、「90年代生まれ大学生」に対してより多くの寛容さと是認を与えることが必要で、彼らが経験とトレーニングを積むことで、成熟・成長し続けることを信じてやらなければならないと呼びかけている。
インターネット時代がもたらした特徴が「90年代生まれ」に垣間見られると感じている大学教師は少なくない。彼らは小さい頃から情報を得る才能を鍛えられた。ネットワークを利用、あるいはネットワークに依存して彼らが得る膨大な情報は、良いも悪しきも渾然一体の状態だ。
教育専門家の熊丙奇氏は、「『90代生まれ』、『80年代生まれ』もしくは『70年代生まれ』に関わらず、実際に最も効果的な教育方法は、究極には『ひとりひとりに応じた適切な教育』だろう。大学は、アンケート調査、グループ交流、個別面談などさまざまな方法を講じ、各学生の特徴を理解・分析し、心理面でのわずかな手掛かりにもとづき、的確な教育指導を展開しなければならない。もちろん、この方法を実施するにあたっては、教育者に限りない愛情や根気強さが求められる。国内の大学では、この点がかなり不十分であるのが現状だ」という見方を示す。同氏によると、大学生は今や、「60年代」「70年代」「80年代」から「90年代生まれ」に変わりつつあるが、カリキュラムの内容や講義方式は1970,80年代のまま変わっていないという。「不変の方法によって変化に対処する」といった、このような「曖昧模糊とした管理教育」は、人を基本とした教育理念に適うものではない。
北京航空航天大学学生処の暴占光先生(発展心理学博士)によると「90年代生まれ大学生」の健全な成長を導くために、教育者は自ら率先していくつかの転換を図る必要があるという。政治思想教育面では画一性のみの重視から個性の受け入れへ、教育方式では単方向講義型から双方向会話型へ、教育の重点としては過度に理想化された巨視的な目標教育から巨視的な目標と個人自らのニーズを組み合わせた教育へ、情報化ツール分野ではオンライン指導とオフライン指導を結合した方法への転換が、今後の課題となろう。
「人民網日本語版」 2008年09月09日
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