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円明園ブロンズ像競売 小さな像が呼んだ大きな波紋
発信時間: 2009-02-27 | チャイナネット

円明園から流出した動物の頭のブロンズ像がこのほど競売にかけられ、世界中の話題となっている。パリの大審裁判所は23日、ネズミとウサギの頭のブロンズ像の競売を中止すべきだという欧州中華芸術保護聯合会の訴えを退け、競売会社クリスティーズによる競売続行を認める判断をくだした。ブロンズ像は25日に高値で落札されたが、落札者の氏名は明らかにされていない。

今回の事件が話題を呼んだのは、ブロンズ像そのものの価値によるものではなく、ブロンズ像がかかわる歴史的な背景や民族的な感情によるものだ。この事件を通じて、侵略の歴史に対する態度や被侵略国の民族感情に対する態度、非常時に流失した文化財の処理といった問題に焦点が当たった。この意味では、小さなブロンズ像ではあっても、そのかかわる問題はとても大きいと言える。

「盗んできた太鼓はたたけない」ということわざが中国にはある。略奪された文化財は盗品と同様であり、盗品の競売は盗品売買と同様だ。道徳にかなっていないだけでなく、法律にもかなっていない。クリスティーズは競売を続ける根拠として、イブ・サンローラン氏とピエール・ベルジェ氏は合法的なルートでこれらのブロンズ像を購入しており、彼らの前の所有者もコレクターであったことを挙げている。ベルジェ氏はメディアに対し、同氏の文化財は合法的なルートで収拾されたものであり、法律的な保護を受けるべきだと強調している。さらにこれを人権問題とも結びつけ、「中国がダライラマに領土を返すことがブロンズ像返還の前提条件だ」とまで語った。クリスティーズにせよ、ベルジェ氏にせよ、150年前の円明園焼き打ちを行った祖先と同じような役割を演じている。「人権」や「自由」という偽善的なスローガンを口にするだけ、略奪行為を行った野蛮な祖先よりも進化しているにすぎない。侵略の歴史を目の前にして、これらの人々が善悪や是非を強硬に無視するとすれば、これ以上に道理を語っても意味はない。重要なのは、はっきりとした態度を示し、方法を探し出すことだ。

中国の民間からは、円明園から流出した文化財を取り戻すための弁護士によるボランティアチームが発足した。競売業者に対して競売の取りやめと文化財の返還を促すことをねらいとしている。法律による訴訟を通じて文化財を取り戻すことは、中国の海外流出文化財の返還に新たなルートを提供することにつながる。これに対しては十分な支援を行うべきだ。

流出文化財を取り戻すことは世界的な難題であり、政治・経済・文化・国際関係などさまざまな要素がからみあっている。政府面では、法律や外交集団を通じて、違法流出文化財の返還を処理するための国際社会の法律枠組みや原則に照らして、国際協力のもと、海外に違法に流出した中国の文化物を取り戻さなければならない。(「人民日報海外版」コラム「望海楼」より)

「人民網日本語版」2009年2月27日

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