「ハッカー」という言葉は昔、コンピューターのテクノロジーやプログラミングの研究に没頭するコンピューターの達人のことを指していた。だが現在は、コンピューターを使った破壊やいたずらをする人を指すことが多い。中国インターネット・ネットワーク情報センター(CNNIC)のレポートによると、今年上半期、トロイの木馬などのウイルスによる攻撃にウェブ上で遭ったという人は1億9500万人に達した。口座番号やパスワードが盗まれるなどの問題に逢ったという人は1億1千万人にのぼった。ネットワークの安全とハッカーの問題に対する人々の関心は日増しに高まっている。「中国広播網」が伝えた。
中国の検索サイト「百度」に「ハッカー育成」というキーワードを入れて検索すると、関連ページが176万件もヒットする。「ハッカー育成サイト」には、「学歴も経験も英語能力もいらない。数百元払うだけで、インターネット世界で自由自在のハッカーになれる」といった文句が並んでいた。
最大の中国語ハッカープラットホーム「黒客基地」の安全顧問を務める王献氷氏は、「サイト侵入を教えるようなページはたくさんある。どうやってパスワードを盗むか、どうやって金を儲けるかなど、始めてすぐから教えてくれる。コースの受講者が納める学費が育成サイトの収入となる。ハッカーになる方法だけでなく、そのためのツールまで提供してくれ、最初から最後までのサービスがある」と語る。
王氏によると、中国のハッカー産業は、チャットサービスのQQやオンラインゲームをめぐって形成され、現在はオンラインバンクにまで広がってきた。仮想的な財産と現実の財産の価値がウェブ上で操作できるようになったことで、ハッカーグループによる事件が盛んに起こるようになった。
国家コンピューター・ネットワーク緊急センターの推算によると、ハッカー産業の年間生産額は2億3800万元を超え、与えた損失は76億元に達する。巨大な産業チェーンを持つことは一部の人をこの産業にひきつけ、ネットワーク秩序の次の破壊者を作りつつある。。(編集MA)
「人民網日本語版」2009年8月3日